泌尿器科
急性前立腺炎は、男性の尿道から細菌の感染でおこる前立腺の炎症で、
細菌としては淋菌や大腸菌、ブドウ球菌などです。
過度の飲酒や座ったままの姿勢が前立腺周囲を充血させておこることが多く、
悪化すると、膿が溜まることがあります。
前立腺が充血して腫れ、排尿の終わるころに、会陰部や下腹部にジーンとする痛みがあり、
進行すると、頻尿や尿の濁り、血尿が現れ、悪寒、発熱、頭痛などの症状を伴うことがあります。
全身症状が現れれば、入院して抗生物質や抗炎症剤を投与し、
また、通院で抗生物質や抗炎症剤か、鎮痛剤などを使用します。
慢性前立腺炎は、前立腺の炎症が慢性化している状態で、
急性前立腺炎が慢性化したものと、初期から慢性前立腺炎として発症するものがあり、
ストレスでも起こることがあります。
病気の状況が軽いものは自覚症状がありませんが、症状があるものは急性のものと同じように、排尿のときに会陰部や下腹部に痛みがあります。
抗炎症剤や抗生物質や精神安定剤を使用しますが、治るまでは数か月以上かかります。
前立腺肥大症は、前立腺の中にしこりがたくさん出来て長い間に、前立腺にある尿道を圧迫して排尿障害を起こすものです。
前立腺の肥大そのものは、中年を過ぎた男性のほとんどに見られるもので、老化によって男性ホルモンの分泌のバランスが変化することと関係があるのではないかと言われており、
この1部に治療が必要な病気になります。
前立腺肥大症を放置すると、水腎症や腎不全を合併する場合があります。
最初は尿が出るまでの時間がかかったり、尿に勢いがなくなったり、
残尿が増えて夜間に尿意を感じて、寝ていても目覚めるようになります。
初期には排尿促進作用のある薬物療法を行いますが、症状が進行すれば、
下腹部を切開して切除するなどの方法があります。
睾丸炎は、ウィルスや細菌の感染によっておこるもので、急性と慢性があり、
おたふくかぜなどに感染すると、発症する率高くなります。
睾丸の一部分が赤く腫れて痛むほか、激しい悪寒と共に発熱し、
大人しくしていても、ひどく痛みます。
慢性になると、痛みはないものの睾丸が徐々に腫れて大きくなります。
急性の場合は、抗生物質や消炎鎮痛剤を使用し、膿が溜まった場合には、切開手術をして取り除きますが、病状がひどくなっている場合には睾丸を摘出します。慢性の場合は、手術で睾丸を摘出することが多くなります。
陰嚢水瘤は、先天的または睾丸や副睾丸の炎症や腫瘍などで、
睾丸周囲の膜の中に液体が溜まるものです。
この病気の痛みはありませんが、陰嚢が腫れて大きくなるので不快感があります。
溜まった液体が大きなものは針を刺して液体を抜くか、切開手術をします。
精管炎は、精管に細菌が感染するもので、たいていは前立腺炎や副睾丸炎などを合併しています。
悪寒と高熱を伴い、陰嚢が腫れて痛みます。
急性の場合は、抗生物質や消炎鎮痛剤を使用し、慢性になると手術も必要です。