消化器内科・外科・胃腸科
巨大結腸症は原因によって、先天的と後天性のものに分かれます。
先天性巨大結腸症は、腸管の神経細胞の先天的な欠損により、腸が正常に稼働せずに、
便の移動ができなくなり、腸が拡張して腸閉塞のような状態になる病気で新生児に発症します。
嘔吐や腹部膨満感があり、頑固な便秘となります。
浣腸などの処置を繰り返しますが、生後6か月過ぎてから根治的手術を行います。
後天性巨大結腸症は、結腸の一部もしくは全部が極度に拡張して、便が溜まって便秘になるとともに、腹部が腫れあがってきます。
原因は平骨筋障害、代謝異常、神経系の病気、中毒性の大腸炎などですが、下痢の乱用や精神的ストレスなどでもおこります。
吐き毛、嘔吐、腹部膨満、頑固な便秘などがあります。
原因となっている病気の治療を行い、原因の病気がない場合には便秘の治療をしますが、
内科的な治療が効果がない場合には一時的に人工肛門などで対処します。
大腸の粘膜が内側に飛び出して隆起したものを大腸ポリープといいます。
大腸ポリープは、腺腫、若年性ポリープ、炎症性ポリープに分けられ、このうち、若年性ポリープと炎症性ポリープは腫瘍ではないので、あまり気にするほどでもありません。
しかし、注意しなければいけないのは、大腸ポリープの8割も占める腺腫です。
腺腫は2センチ以上のポリープになると癌に変わります。
大腸ポリープは40歳以上の男性に多くみられ、そのほとんどは直腸とS状結腸に発生します。
大腸ポリープは食物通過などの刺激によって出血しやすく、特に大きくなったポリープの出血は、はっきりわかる下血となりますし、直腸にポリープがあると残便感があります。
ポリープが小さい場合は症状がまったくないこともあり、検診などで発見されます。
内視鏡を使ってポリープを摘出しますが、摘出したポリープからがん細胞が発見され、それが粘膜より下に浸出していると、腸のその部分を腸切除します。
腹膜に腹腔内の炎症が影響したもので、発症の早さから急性と慢性にわかれ、
原因は細菌感染や様々な刺激によるものです。
急性腹膜炎は、腹腔内に侵入した細菌が腹膜に感染しておこり、細菌が侵入するのは、虫垂炎や十二指腸潰瘍の穿孔などで、内容物が腹腔内に漏れてくるためです。
女性の場合は、流産などから引き起こされ、それに、死亡率高い病気なので緊急な治療が必要です。
激しい腹痛とともに、腹部が硬くなり、押すと痛みを感じ、嘔吐や冷や汗が出て、細菌による敗血症から、ショック状態に陥ります。腹部は麻痺性腸閉塞をおこして膨満してきます。
開腹手術をして治療をします。
結核や腹腔内の癌などの病気と伴って発症する腹膜炎で、ガンの場合は腹膜に癌が転移します。
結核からきた慢性腹膜炎は進行すると、微熱、腹痛、消化障害、腹水などが現れます。
癌性のものは、腹膜に腫瘤が転移して起こりますが、腹水もたまり、吐き気や嘔吐、便秘、発熱や全身の衰弱がみられます。
抗生物質で治療するほか、原因の病気の治療をします。
カルチノイド症候群は、消化管や呼吸器に腫瘍が発生するもので、良性と悪性があります。
顔が赤くなり、低血圧、咳、下痢などが現れます。
手術で腫瘍を摘出します。
家族性ポリポーシスは、大腸に無数のポリープが発生する病気で、癌化率が高く、遺伝性が認められます。
発症する年齢が早ければ、思春期頃から出血や下痢、腹痛がおこるようになり、やがて大腸がんを合併します。
手術で大腸の切除をします。
肝臓から胆のう、十二指腸と流れていく胆汁が腹腔に漏れることで胆汁性腹膜炎がおきます。胆道が破裂したときや、肝臓、胆道系の手術後などに発症します。
腹部に激痛がおきてから、腹部が硬くはり、嘔吐や発熱も現れます。
すぐに開腹手術をして、胆汁が漏れている部分を塞ぐか、病変部を切除し、胆のうに穿孔がある場合には胆のうを摘出します。抗生物質も使用します。