抗生物質の服用で薬剤性・虚血性大腸炎と緊急手術が必要な腸間膜動脈閉そく症の症状と治療

薬剤性・虚血性大腸炎

抗生物質の服用で腸内細菌に異常がおきる薬剤性大腸炎は急性出血性大腸炎と偽膜性大腸炎に分かれます。血行障害や大腸に潰瘍ができる虚血性大腸炎や緊急手術が必要な腸間膜動脈閉そく症の症状と治療法です。

抗生物質の服用で腸内細菌に異常がおきる薬剤性大腸炎

抗生物質の服用で腸内細菌に異常がおきる薬剤性大腸炎

 

受診科

内科・消化器内科・外科

 

抗生物質の服用によって腸内細菌に異常がおきる病気で、急性出血性大腸炎と偽膜性大腸炎に分かれ、発症までは1週間ほどです。

 

急性出血性大腸炎

原因

ペニシリン系の抗生物質が原因となることが多く、黄色ブドウ球菌が出す毒素によっておこります。

 

症状

さすような腹痛と下痢や下血がおきます。

 

治療

原因となる薬剤の使用を中止します。

 

偽膜性大腸炎

原因

抗生物質の服用のほか、尿毒症などによっておきますが、なぜ炎症が起きるのかは不明です。

 

症状

鈍い腹痛・下痢・発熱などが見られますが、下血はありません。

 

治療

抗生物質の服用をやめて、整腸剤や下痢止めを服用します。

 

血行障害や大腸に潰瘍ができる虚血性大腸炎

 

大腸に分布している大小の動脈に血栓ができたり、動脈の内径が狭くなることで血行障害がおきたり、大腸に潰瘍などの病変や、ひどい場合には壊死がおきる病気です。

 

原因

高血圧や動脈硬化症、あるいは狭心症、心筋梗塞などのように、血行障害を招くような中高年の人によく見られる病気です。高齢化と共に増加しており、多くは数日で症状が治まるもので、壊死するような症状まで至るのは、ごく少数です。

 

症状

突然、激しい腹痛がおこり、その後血便がでます。

 

治療

安静にして絶食します。
輸液や抗生物質の投与などにより、数週間ほどで治りますが、大腸の狭窄がひどかったり、
壊死がおきている場合は切除手術を行います。

 

緊急手術が必要な腸間膜動脈閉そく症

 

原因

小腸や大腸に分布して栄養を補給する血管が、血栓で狭くなって閉塞して、
腸に栄養が行き届かずに腸管が壊死をおこした状態です。
リウマチ性心臓病、心房細動、心筋梗塞などが原因で発症します。

 

症状

食事中に突然、腹痛がおきて、嘔吐や発熱がおこり、大便やガスが出なくなります。
放置すると、血圧低下やチアノーゼ、あるいは意識障害が現れ、処置しなければ死亡することがあります。

 

治療

発症から1日ほどで壊死がおこるので、緊急手術が必要です。
処置が早いほど手術は成功します。


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