膠原病・リウマチ科・内科
白血病や先天性免疫不全症、免疫抑制法などを受けている人に、
骨髄移植や輸血などをした結果、移植片対宿主病が発病する可能性が大きい病気です。
骨髄移植の場合は移植した身体を異物として攻撃したり、
輸血の場合は血液のリンパ球が、輸血を受けた身体を異物として破壊して、
様々な臓器障害をおこすものです。
また、免疫機能がなくなるので、ウィルスや細菌による感染症を併発する危険もあります。
他人の免疫細胞が身体の組織を攻撃するとしても、免疫異常の膠原病と症状も似ています。
急性では発熱、皮膚の紅斑、嘔吐、腹痛、下痢、肝臓機能障害、黄疸などの症状がみられます。慢性症状としては、発疹、口内炎、角膜炎、食道や大腸の障害、肝臓障害などです。
副腎皮質ホルモン剤や免疫グロプリン、免疫抑制剤を使用しますが、
各種の予防処置も開発されています。
全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、慢性関節リウマチといった膠原病が2つ以上合併して起きて、さらに、血清中に抗RNP抗体という自己抗体を持つといった特殊な特徴がある膠原病です。
女性の発症率は男性の10倍にも及び、特に30歳代に多発します。
発病した膠原病の症状がでます。
最も多い症状は指先が白くなるレイノー現象です。
また、指が膨らんでソーセージのようになったり、手の甲が膨らんだりします。
関節痛、関節炎、筋肉痛が出る場合もあり、リンパ節の腫れや顔面紅斑が出る場合もあります。
肺に病変が出ると、間質性肺炎から肺線維症になったり、肺高圧症になることもあります。
また、食道に病変が出た場合には食物が飲み込みにくくなります。
早期に発病した膠原病の症状にあわせた治療をします。
副腎皮質ホルモン剤が有効です。
長期にわたって慢性関節リウマチに脾臓の腫れ、リンパ節の腫れ、貧血、白血球の減少、色素沈着などが加わり、リウマトイド因子が存在する場合に、フェルティ症候群とよばれます。
フェルティ症候群になると、治りにくい感染症が起きやすくなります。
他にも発熱や倦怠感、体重減少などがみられます。
副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤を使用するほか手術もします。
全身の外分泌腺に炎症がおきて、涙や唾液の分泌が低下してしまうものです。
免疫異常が原因とも言われ、膠原病の一つと言われています。
涙腺では目がゴロゴロしたり、目ヤニが多くなったりするほか、
唾液腺では口が渇いたり、唾液が出なくなったりします。
急性の唾液腺炎の場合は、両側の耳の下が腫れ、移動性の関節痛がおきます。
涙腺や唾液腺だけなら、人口涙液や人工唾液を使用します。
関節痛などには非ステロイド系の消炎鎮痛剤を使います。