慢性関節リウマチ・全身エリテマトーデスの症状と治療

慢性関節リウマチ

体質や免疫異常や環境が原因の慢性関節リウマチは根気よく治療を続けなければなりませんし、色々な病変がたくさんの臓器に及ぶ全身性エリテマトーデスは早く入院治療する必要があります。どちらも膠原病の一種で病気の症状と治療です。

体質や免疫異常、環境が原因の慢性関節リウマチ

慢性関節リウマチ

 

受診科

膠原病・リウマチ科・物療内科・アレルギー科・内科・整形外科

 

膠原病の一種で、全身の関節に炎症がおきる病気です。

 

原因

体質や免疫異常、環境が、慢性関節リウマチの原因に関わっているということがわかってきました。この病気は女性の発症率が男性の3倍と高く、特に30歳以上の発症が多くなっています。

 

症状

関節を動かすと痛むので、普段の動きができなくなり、関節を押すと痛むこともあります。
さらに炎症がひどくなると、じっとしていても痛みます。
炎症が急な時は、関節が赤くなって熱を持ち、水が溜まることもあります。
朝起きたときに、身体がこわばっています。症状がひどいときには、こわばりも長く続いて、
午後にならないと身体が動かないこともあります。

 

関節以外の症状では、発熱や発疹、全身倦怠感、貧血、リンパ腺腫瘍などの
膠原病特有の症状があります。
炎症は一度に複数の関節に多発性におき、また足でも手でも、右におきると左にも左右対称性におきます。

 

また、リウマチは炎症が次々に、色々な関節に移る移動性があるのです。
これら多発性、対称性、移動性の3つの関節症状があるのが、慢性関節リウマチの特徴です。
小児で発疹を伴う関節炎をみたら、若年性関節リウマチを疑います

 

治療

対症療法が中心ですが、大きく分けて、薬物、理学、外科の3つの療法があります。
薬物は、非ステロイド系消炎鎮痛剤や抗リウマチ薬、あるいは免疫抑制剤を使用します。
次に関節の変形と筋力低下を防止するリハビリテーションなどの理学療法、
そして、関節機能が破壊された場合に手術する外科療法です。

 

この病気は経過が長いので根気よく治療を続けなければなりませんし、
身体の障害となってしまうこともあります。

 

色々な病変がたくさんの臓器に及ぶ全身性エリテマトーデス

膠原病の一つで、全身に炎症が起きたり、全身の臓器に病変がおきるものです。

 

原因

本当の原因はわかっていませんが、免疫異常、異伝、ホルモン、環境などが
関係するということはわかっています。この病気の誘因は直射日光です。
女性ホルモンの関係で、女性の発症率は男性の10倍で、発症年齢も20歳代が多いのです。

 

症状

症状は全身のものと局部のものに分かれます。
全身症状としては、微熱や全身倦怠感などが続きます。

 

局部症状として、もっとも特徴的なものが皮膚の症状で、
中でも、顔の発疹は両側の頬から鼻にかけて蝶が羽ばたくように赤い形で現れます。
痛みやかゆみはなく、このような発疹は手のひらや指あるいは足の裏にも出ます。
発疹が出ない場合でも、関節の痛みが出たり、腫れもでたりします。

 

また、抜け毛や口の中の粘膜や舌の変化を起こすこともあります。
この病気自体が血管の炎症なので、皮膚の症状が多くなります。
また妊婦の場合には、早産や流産の率が高くなります。

 

全身性エリテマトーデスとあって全身性のものですから、貧血が進むと息切れやめまいがし、心臓や胸に水が溜まると息切れや痛みが現れます。
いったん、この病気になると、色々な病変がたくさんの臓器に及ぶので、出来るだけ早く入院治療する必要があります。

 

治療

非ステロイド系の薬で炎症を抑えます。
症状が重いときは、副腎皮質ステロイド剤で過剰な免疫反応を抑えます。
また、皮膚症状や腎臓病変には血管拡張剤を使用します。


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