食道炎・食道アカラシア・食道潰瘍の症状と治療法

食道炎や食道潰瘍

胃液や胆汁が食道に逆流しておこる食道炎、食物が胃に送り込めない食道アカラシア、化学的な刺激が原因となる食道潰瘍、それぞれの病気の症状と治療法

胃液や胆汁が食道に逆流しておこる食道炎

胃液や胆汁が食道に逆流しておこる食道炎

 

受診科

内科・消化器内科・消化器外科

 

原因

食道炎のうち最も多いのは、下部食道の括約筋機能が低下し、
胃液や胆汁が食道に逆流しておこるものです。
逆流する食道炎は、食道裂孔ヘルニアや膠原病の一種でも起こりやすくなります。
その他には、刺激物の摂取や、細菌や真菌感染などでも、食道に炎症が起きます。

 

症状

食物を飲み込んだときに痛み、胸やけ、胸痛、上腹部の痛みがあります。
特に逆流性食道炎では夜間、就寝中に痛みが出るのが特徴です。

 

治療

感染が原因となっている場合には、感染の治療が行われます。
逆流による食道炎には、食道括約筋の機能を高める薬剤や
制酸剤や粘膜保護剤などを使用します。
また、食事のあとにすぐに寝ない、寝るときは上半身を少し起こして寝るなどの
生活指導も大切です。

 

食物が胃に送り込めない食道アカラシア

原因

食道下部から胃の入り口(噴門)にかけての筋肉がゆるまず、
食物が胃に送り込めない状態です。
食物は食道に留まるために、食道が膨れるのです。

 

症状

食物が食道に留まってしまうため、物がのどにつかえている感じがします。
食物が飲み込みづらかったりしますが、固形物より流動物の食物が
飲み込みづらいのです。
そのため、食道に溜まっている食物を嘔吐したり、就寝中に気管に逆流して
咳き込こんだりします。
精神的にストレスによって症状が悪化することがあります。

 

治療

薬物療法、物理的療法、外科的療法があります。
薬物療法では抗コリン剤や亜硝酸を使用して括約筋を弛緩させますが、
鎮静剤や精神安定剤が有効な場合もあります。
物理的療法は拡張器などによって、通過性を改善する方法もあります。
外科的療法では下部食道の括約筋を切開する方法です。

 

化学的な刺激が原因となる食道潰瘍

原因

食道炎と同じように、胃液や十二指液が逆流したり、
物理的あるいは化学的な刺激が原因となります。
特に注目されるのは、カプセルに入った薬剤を飲み、
それが胃に送られず、食道に停滞し、中の薬剤が出て食道の粘膜を傷つけます。

 

症状

食後の胸やけ、げっぷ、嘔吐、胸骨周辺の刺すような痛みです。

 

治療

制酸剤、粘膜保護剤、抗潰瘍剤などの薬物療法を行い、
逆流が原因で内服治療で改善されない場合は手術で治療することもあります。


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