内科・消化器内科・消化器外科
食道が狭くなって飲食物が通りにくくなった状態です。
食道に発生した潰瘍や炎症が完治しても、瘢痕ができて食道が狭くなるのです。
食道狭窄には腐食性食道狭窄と呼ばれるものもありますが、
これは硫酸・塩酸・塩化アンモニア・苛性ソーダなどの強いアルカリ性や
酸性腐食剤を飲んだ場合に瘢痕となります。
その他には、食道がんなどの腫瘍によるものや、手術で食道と胃や腸を
つないだときにおこる場合もあります。
飲食物を飲み込むのが困難になったり、嘔吐がおきたり、ひどくなると、
飲食物が食道を通らないために、脱水症状や栄養障害をおこすこともあります。
腐食剤を飲み込んだ場合は、食道狭窄の症状以外に様々な症状が現れ重症化する場合があります。食道の腫れが収まっても時間の経過とともに瘢痕が高度になり、初めの頃よりも、飲食物が通りにくくなることもあります。
食道狭窄の原因が明らかな場合には、原因に対処する治療を行います。
腐食剤を誤飲した場合には、早期に食道や胃を洗浄して、中和剤の投与になります。
狭窄の治療には拡張器などを使い、狭くなったところを広げ、狭窄がひどい場合には手術も必要になります。
大量の飲酒、妊娠、食中毒などで激しく嘔吐したときに、
食道と胃の境目付近の粘膜が避けて出血をおこした状態です。
何度か吐いて、やがて大量の鮮血が吐血や下血として出血します。
出血が大量になると、ショック状態をおこすこともあります。
通常は内視鏡で診断されると、薬剤の局所注入、電気メス、レーザーなどで
ただちに止血し、内視鏡による止血が不十分であれば、点滴による止血剤、
血管収縮剤、抗潰瘍剤などの治療を加えます。
それでも止血しなければ、手術を行います。
飲食物が飲み込めなるのですが、食道そのものには病変がない場合です。
広い意味では髄膜炎やてんかん、破傷風などによる神経障害で食道の通りが悪くなるものを言いますが、狭い意味では心因性が原因です。
食道にいつも何かがつかえているような感じがしたり、
胸が圧迫されたり、焼けるような感じがすることがあります。
心因性の場合には、鎮痛剤や薬物療法、精神療法が有効です。