内科・消化器内科・消化器外科
食道裂孔は、横隔膜に食道を通す穴が開いている状態です。
この穴が緩んでいると、横隔膜の下にある胃の一部が、
この穴をすり抜けて胸郭内に入り込んでしまうのが食道裂孔ヘルニアです。
食道裂孔ヘルニアのような状態では、食道の下部の括約筋が機能しなくなり、
胃の内容物が食道へ流れ込んで逆流性食道炎を合併しやすくなります。
横隔膜の筋肉が弛緩してくるために起こると考えられており、
高齢者に多く発症する病気です。
他に肥満や妊娠などによって、腹腔内圧の上昇も原因となります。
胃液や胆汁が食道に逆流するために、食後や就寝中に胸やけや
げっぷをしたり、嘔吐、腹痛などがあります。
自覚症状のないものや、自覚があっても軽いものは治療の必要はありません。
もしも、食道裂孔ヘルニアを発症したことにより、食道炎を発症した場合には、
制酸剤や抗潰瘍剤などを使用する薬物療法を行います。
薬剤で治癒しない場合には、手術で胃の脱出を防ぐ処置が必要になります。
食道にある静脈がコブのように膨らんでしまう病気です。
多くは肝硬変の影響で生じ、肝臓に血液がながれにくくななります。
消化器から肝臓へ血液を送る血管(門脈)の圧が高まり、血液が行き場を失います。
そのため、血液の一部は食道の静脈に流れ込み、通常以上の血液が静脈を流れて静脈が腫れることになります。
静脈瘤に羅漢したとしても、その症状はないのですが、静脈瘤が破裂すると出血して、吐血や下血がみられます。出血量が多い場合はショック状態になることもあり、肝機能の悪化をおこすこともあります。
静脈瘤が破裂して出血した場合の予防には、内視鏡的な処置や血管造影を応用した処置がありますが、実際、出血してしまった場合には、内視鏡的に止血することが多く、バルーン付きの移管で圧迫することもあります。再発を繰り返す場合には、肝機能の状態が良ければ手術を行うこともあります。
食道に出来る癌や肉腫以外の腫瘍です。
上皮から発生する場合と、それ以外の部位から発生するものに分かれます。
上皮以外では平滑筋腫、嚢腫、血管腫、脂肪腫などがあります。
よくあるのは平滑筋腫です。
腫瘍が小さいうちは自覚症状はありませんが、大きくなると飲食物が飲み込みづらくなります。
腫瘍が大きくなって自覚症状がでるようになった場合には治療が必要です。
内視鏡を使って切除したり、場合によっては腫瘍を摘出する手術をします。