内科・消化器内科・消化器外科
胃を切除した後に、出現する様々な障害が含まれ、症状の出現時間や程度も様々です。
胃の切除によって、胃の貯留機能が低下し、食物が急速に小腸へと落ちていくためにおきます。食後早期に見られるのは、ホルモンのバランスが崩れることが原因です。
食後2時間ほどしてからみられるのは、急激な血糖値の上昇と、その反発としての低血糖が原因です。
食後10分から数時間で吐き気や嘔吐、下痢のほか、めまい、発汗、動悸などがあります。
タンパク質と脂肪の多い食事をし、炭水化物を控えます。
1日の食事は、5〜6回に分けてゆっくり食べるようにし、食後は十分に安静にします。
症状によっては鎮静剤などの薬物療法をします。
胃の切除をしても、胃酸の分泌が減らずに、手術後、1〜2年で胃と十二指腸か小腸のつなぎ目である吻合部に潰瘍が発生するものです。
腹痛・食欲不振、吐き気、嘔吐などがみられ、重症になると、出血、穿孔、狭窄などが起きる場合があります。
薬物療法を行いますが、効果が乏しい場合は手術療法になります。
胃と小腸が吻合され、小腸に何らかの原因で腸液が溜まる状態です。
腸液や特に胆汁、膵液が、胃に逆流して、吐き気や嘔吐、胃痛などがおこります。
胃の内容物の吸引をしてから、薬物療法を行いますが、吻合部付近に狭窄があれば再手術が必要になります。
慢性胃炎などで胃の粘膜に欠損が生じると、粘膜上皮の層が粘膜を回復させようとして、
粘膜の過剰生産がおこり、色々な形のコブ(ポリープ)のようなものが発生するものです。
このポリープから、ガンになることは極めて少ないとされています、
まれにポリープの一部に癌が見つかることもあります。
自覚症状は、ほとんどなく、検診などでも発見されます。
もし、ポリープから出血すれば、吐血や下血がおこります。
ポリープが小さければ定期的に検査をして経過を観察しますが、
ある程度以上の大きさの場合は、万が一の癌の発生も考えて、
内視鏡的に切除することが薦められます。
胃のポリープと同じように、胃にコブのような突起物ができるのですが、
違うのは、胃の粘膜の下にある平滑筋や神経、血管、線維などに腫瘍が発生して、
それが粘膜を押し上げて、コブを飛び出させることで、腫瘍ができやすいのは平滑筋です。
ポリープと同じように、自覚症状がないことが多く、やはり検診などを受けたときに発見されます。腫瘍が大きくなると、潰瘍ができて出血することがあります。
良性で小さいものなら、定期的な検査で経過を観察します。
しかし、腫瘍から出血する可能性があるものや、実際に出血するもののほか、
5cm以上のもの、悪性の疑いのあるものは疑いのあるものは手術で摘出します。
血液中のたんぱく質が胃や腸の中に埋もれてしまい、大便と共に排泄されてしまう状態で、低たんぱく血症が現れます。漏れてしまう原因に、腸のリンパ系の異常や胃腸の病気が考えられるほか、様々な疾患からもおこります。
身体にむくみや浮き腫が現れ、下痢や貧血が起こる他、ひどくなると胸水や腹水が発生します。また、原因となる疾患によっても、様々な症状が現れます。
たんぱく漏出性胃腸症の原因となる病気を探り、その原因を応じた治療をします。
いずれの場合も食事療法が必要ですが、栄養障害が高度なときは、経営栄養や静脈栄養などを行います。もとになる病気によっては、手術治療がとられることもあります。