耳鼻咽喉科
鼻茸は、鼻の中にキノコ状のポリープが出来る病気で、慢性副鼻腔炎の合併症としておきます。
ポリープによって鼻づまりをおこしたり、多量の鼻汁が出たりします。
ポリープの大きさや個数は様々で、まれに鼻腔いっぱいなるほど大きなものも発生する可能性があります。
大きなものは手術で切除します。
鼻の内部は毛細血管が集まる場所で、指で傷つけたり、鼻を打撲したり、のぼせたりで、わずかな刺激でも、よく出血します。
一方、鼻腔の腫瘍、循環器系の疾患、糖尿病などが原因で出血することもあり、長引いたり、多量の出血だったりする場合は注意が必要です。
鼻の入り口には、毛細血管が集中するデリケートな部分があります。
鼻出血の大半は、ここからの出血ですが、出血量はそれほど多くありません。
安静にしていればすぐ止まります。
他の病気による場合、鼻からあふれるほど大量の出血をしたり、家庭での手当では簡単には止血できないこともあります。
それほど出血しなければ、小鼻を外側から指で押さえて止血します。
大量の鼻血は、家庭では止血しきれないことがあるので、診察を受けましょう。
鼻腔の奥には、臭いを感じる嗅細胞があり、この細胞が臭いの刺激を受けると、その興奮が嗅神経を経て大脳に伝わり、臭いとして認識できます。
この経路のどこかに障害がある場合が嗅覚障害です。
嗅覚のわずかな低下から完全な消失まで、症状は色々あります。
風邪を引くと鼻粘膜が炎症をおこして嗅覚が低下することはよくありますが、
頭部の外傷で嗅神経が破壊して嗅覚が失われてしまう重大な原因もあります。
また、神経症やストレスなど精神的な原因で、本来の臭いとは違う錯嗅という嗅覚異常がおこるときもあります。
副腎皮質ホルモン剤の点鼻が有効で、風邪や副鼻腔炎など、嗅覚を低下させる原因となる病気の治療をします。
嗅神経や嗅細胞に障害がある場合は回復は困難です。
鼻中隔湾曲症は、外鼻の支えとなり鼻の内部を左右に分けている鼻中隔の形が歪むもので、発育に自然に歪んだり、打撲など鼻に外傷を受けることによって生じます。
わずかな鼻中隔のひずみ、ずれは誰でもあり、全く問題ありません。
ひずみの程度が大きな場合には、鼻中隔が鼻腔を塞いで空気の通りが悪くなり、鼻づまりや副鼻腔炎を招きやすくなります。
鼻中隔の彎曲はたいてい左右いずれかの鼻腔を塞ぐように生じるので、鼻づまりや副鼻腔炎が、どちらかの鼻腔に偏って起きるようになれば、鼻中隔湾曲症を考える必要があります。
歪んだ鼻中隔の一部を切除するなど手術による矯正を行います。
放置すると、急性副鼻腔炎を起こしやすく、これを度々繰り返すと、慢性副鼻腔炎に移行する場合も少なくないので、早期に発見、治療することが大切です。