循環器内科・心臓血管外科
大動脈瘤は動脈のなかでも、特に太い大動脈の一部が弱くなって、血圧に押された血管が、
コブのように異様に膨れてくるものです。いったん発生すると、破裂するまで大きくなり、
大出血をして死亡にいたる危険な病気です。胸部と腹部では、症状や危険度が違います。
先天性の大動脈瘤の変性や、動脈硬化あるいは胸部の外傷や動脈壁の炎症が原因となります。
初期のうちは、自覚症状がありませんが、動脈瘤が大きくなって、他の器官を圧迫すると、色々な症状が出てきます。
声帯の神経が押されると声が枯れて、気管支が押されると咳や痰などがでます。
胸部大動脈瘤が破裂した場合は、激しい胸の痛みや呼吸困難、喀血、血痰などがおきて、
血圧が低下してショック状態となります。
自覚症状のない間は様子をみますが、他の器官を圧迫して、新たな症状が出るようになったり、コブが大きくなれば手術します。
手術は、動脈瘤ができている動脈の部分を切除します。
日常生活は、ストレス、怒り、興奮などで、血圧を上げないように注意をします。
動脈硬化が原因の場合が増えている腹部の大動脈にできた動脈瘤です。
胸部大動脈瘤と同じように、大きくなれば、破裂の危険が高まり、破裂すれば、
すぐ手術しないかぎり、大出血し生命にかかわります。
初期は痛みや咳などの自覚症状はありませんが、コブが大きくなって、
他の器官を圧迫すると腰椎を圧迫し腰痛がおきます。破裂すれば、腹部や腰部が激しく痛みます。
手術以外に治療方法はありません。
動脈硬化などで、弱くなった血管内側の膜が血圧などによって避けると、
内側の膜と外側の膜に流れ込んだ血液で、動脈の壁が縦に避けて解離してしまいます。
さらに進行すると、裂け目も大きくなり、大動脈の末梢部分に広がっていき、
放置すると破裂して、生命にかかわります。
急に胸や背中、みぞおち、腰などに激痛がおき、ひどい場合は息ができないように感じます。
痛みの場所や激しさは心筋梗塞の症状を思わせるほどです。痛みがおきると、発汗や吐き気などの症状も出ますし、ひどいショック状態になって皮膚が蒼白になります。脳への血流が阻害されれば、意識不明や半身まひなど、脳障害のときと同じ症状がでます。
放置すると、生命にかかわる危険が高い病気なので、ただちに入院が必要です。
一般治療として、避けた外側の膜が破裂しないように血圧を下げる薬剤を使うのと同時に
安静にします。効果がない場合はや剥離が範囲が広い場合、心臓・腎臓や脳に影響を及ぼしている場合には手術を行います。