循環器内科・内科
心臓の左右の心室は収縮することで流れ込んできた血液を心臓の外へ送りだします。
右心室なら全身を巡ってきた血液をガス交換のために肺に送り込み、
左心室なら肺から来た新鮮な血液を全身に送り込みます。
心室の収縮力が低下すると、このようなポンプとしての役割が果たせなくなって、
身体に必要なだけの血液が送りだせなくなるのです。
右心室の力が低下すると、静脈から入ってきた血液がつかえて静脈系がうっ血するために右心不全となります。左心室の力が低下すると、全身に血液が送れなくなり、肺静脈からの血液が停滞して、肺静脈がうっ血するために、左心不全となります。
心臓以外にも大動脈、腎臓、甲状腺など、色々な器官の病気が心不全の原因となります。
左心不全の場合、軽いうちは、安静にしていれば症状は出ませんが、身体を動かすと、血液が不足して、動悸や息切れがおきてきます。
さらに、症状が進行してくると、就寝中に咳が出て呼吸困難になり、心臓喘息のように、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」というようになります。
急性の場合は、入院して、ただちに酸素吸入を行い、薬物を投与するなど、うっ血を除去する各種の処置をします。慢性の場合は、水と塩の制限をしたり、利尿剤や心室の収縮力を強めるジギリスという薬を使用します。また、原因となる病気を治療することも必要です。
呼吸器や肺の病気によって、右心室が肥大しておきます。
右心室からはガス交換のために、肺に血液が送られますが、何かの病気があれば妨げられて、
肺動脈の血圧が上がると、同時に長い間に右心室が肥大してしまうものです。
肺性心には、急性肺性心と慢性肺性心があり、急性の方は主に肺閉塞によっておき、
慢性の方は気管支や肺や胸部の病気がおきます。
急性肺性心は、胸痛・呼吸困難・血痰などがおきます。
ひどい場合は、唇や耳に、チアノーゼがおきて紫色になります。
慢性肺性心の場合は、息切れやむくみなどが見られますが、進行するとチアノーゼが出てきます。
急性肺性心では酸素吸入をして、肺閉塞の場合なら、血栓を溶解する薬を用います。
慢性肺性心なら、原因となる病気の治療をします。