心臓を取り巻いて新鮮な血液を心臓の組織に送る冠状動脈。
冠状動脈は心臓の大動脈から枝分かれしています。
この冠状動脈が何等かの原因で細くなってくると、虚血といって
先の方まで必要な血液を送れない状態となります。
これが狭心症です。50歳以降の男性に多い病気です。
狭心症は直接、死亡するような病気ではありませんが、
心筋梗塞に移行すると、生命に関わります。
冠状動脈は、それほど太いものではありませんから、
狭くなりやすい上に、運動して心臓の拍動が速くなったりすると、
血液の流れが必要量を賄えなくなるのです。
循環器内科
狭心症の原因としては、動脈の内側に中性脂肪やコレステロールが沈着して狭くなる
動脈硬化が1番多いのです。
また、大動脈炎症群などによって、冠状動脈の入口に炎症が起きると、
内径が狭くなって狭心症になるのです。
動脈硬化は血管が狭くなっていくものですが、冠状動脈が一時的に狭くなって
起きる狭心症もあります。
冠状動脈がせまくなっていると、様々なきっかけで狭心症の発作が起きやすくなります。
走ったり、家事をしたり、くしゃみや排便でいきんだりすると、虚血状態になって、
労作性狭心症を起こす場合もあります。
逆に睡眠中のように安静にしているときも起きる場合もあります。
胸の痛みが中心です。
その痛みもギューと締め付けられるような痛みであったり、
胸が詰まってしまうような鈍痛がするものです。
胸の痛みは心臓が痛むのではなく、胸の中心あたりが多いとされています。
痛みは激しいものや、それほどでもないもの、人によって様々ですが、
時間は10分ほどで治まります。
狭心症の治療としては薬物療法が中心となります。
それでも効果がない場合や、症状によっては冠動脈形成術や手術が必要になります。
発作が起きたばかりのときは錠剤やスプレーになったニトログリセリンを使います。
冠状動脈の内径を広げる薬ですが舌の下に入れると、2〜3分で効果がわかります。
カルシウム拮抗剤は毎日、服用し、冠状動脈のけいれんを防止して内径を広げます。
特にけいれんによる狭心症に効果があります。
労作性狭心症ではベータ遮断剤を毎日服用します。
これが交感神経に作用し、心臓の活動を抑制してエネルギー消費を減らす役割があります。
冠動脈にカテーテルを入れ、動脈の細い部分を広げたり、ステントでコイル状の金属で広げたり、特殊な刀で削ったりして狭窄部分を治療します。
胸の裏側の動脈や足の静脈の一部をとって冠状動脈のバイパスとして使う手術です。
冠状動脈形成術ができない人行う手術です。