婦人科・思春期外来・小児科
早発月経は、生活環境や栄養の状態、遺伝的なものの影響で、幼くして初潮が始まり、卵巣や副腎、脳の松果体の病気が原因のこともあります。
最近では初潮開始は9歳〜16歳で、平均としては12歳前後と言われますが、
8歳以前に初潮を迎えるのが早発月経といいます。
生活環境などの外的原因や遺伝的なものもあり、あまり心配することではありませんが、卵巣や副腎などの病気で起きている場合もあるので、細かな検査が必要です。
晩発月経は、遅発月経ともいわれ、ホルモン分泌の調節をする脳の視床下部や脳下垂体、性器の発育不全などが原因や、また、卵巣や子宮の機能の動きが悪い場合も起きます。
初潮が一般の開始年齢より遅れて、16歳以降になります。
体質的なものはあまり気にする事はなく、脳下垂体や卵巣などに異常がある場合にはホルモン療法を行います。
稀発月経は、脳下垂体や脳の視床下部、甲状腺の働きの異常によっておき、糖尿病やストレスが原因の場合もあります。
月経周期は、生理学的には28日ですが、25日〜38日であれば問題ありませんが、39日以上では要チェックですが、初潮が始まったばかりの若年層や、閉経近くの場合には、あまり気にする事はありません。
基礎体温をつけ、排卵があるか調べ、排卵があり、黄体期の短縮がなければ、それほど心配することはありませんが、無排卵で月経の周期が伸びた場合には、ホルモンによる排卵誘発の治療を行うことがあります。
頻発月経は、卵胞期や黄体期が短縮して起こる場合や、排卵できずに月経周期が短縮される場合で、いずれも卵巣の機能に起因します。
また、腫瘍や子宮内膜ポリープ、性器炎症、子宮筋腫・子宮癌などによる不正出血を月経と誤る場合もありjます。
月経周期が24日より短く、それが繰り返されます。
黄体や卵胞の働きが悪い場合はホルモンによる治療で卵巣の機能を高めます。
排卵しない場合は、排卵誘発剤を使う治療があり基礎体温が診断に役立ちます。
過多月経は、子宮筋腫や子宮内膜炎などの子宮に関わる病気、卵巣の機能不全、精神的ストレスなどが原因になります。
平均的出血量(20〜110ml)を超えて、不快に感じるほど多く出血します。
あるいは、擬血塊が出たり、日数が8日以上と長いことがもとで貧血をおこすこともあります。
子宮やその他の病気の場合は速やかに治療します。
卵巣の機能が原因の場合はホルモン療法を行い、止血薬を使う対症療法をします。
過少月経は、子宮の発育不全、子宮内腔の癒着、卵巣機能不全などの他に、更年期や思春期、出産後にもしばしばおこります。
月経時の出血が極端に少なかったり、月経の日数が2日以下のものを過短月経ともいいます。
子宮の発育不全や卵巣に原因がある場合にはホルモン療法を行います。
更年期や思春期の場合は特に問題はありません。
無月経は、18歳を過ぎても初潮がないことをいい、原発性無月経をおこす原因には、子宮や卵巣または膣の発育不全、脳下垂体、視床下部などの障害、副腎の病気や、染色体異常などが考えられています。
普通にあった月経が2〜3か月以上ない、続発性無月経の原因としては、妊娠やダイエットのしすぎ、糖尿病、腎臓病、ストレス、過度なスポーツなどがあげられます。
適齢となっても初潮を迎えなかったり、3か月以上月経がない場合をいいます。
原因を見極め、早期の治療が必要で、ホルモン療法や手術など、原因に応じた治療が行われますが、基礎体温のチェックが必要です。
機能性子宮出血は、卵巣の機能不全によるホルモン異常や血液疾患が考えられます。
月経以外の出血が見られます。
子宮筋腫などの病気との見極めが必要で、大半の原因であるホルモン異常では、ホルモン療法が行われます。
不正性器出血は、子宮筋腫、子宮癌、子宮内膜症などの子宮の病気、卵巣癌などの卵巣や卵管の病気、膣ガン、膣炎などの膣の病気の場合もあります。
また、ピルやホルモン剤が原因の場合や、妊娠中は子宮外妊娠、流産、胞状奇胎、前置胎盤などが考えられます。
月経以外の出血が見られます。
安静にして出血多量の場合はT字体などで対処して病院に行きます。
妊娠中は流産など危険を伴う場合も多いので、速やかに診察を受けます。
月経前緊張症は、月経前に分泌される黄体ホルモンと卵胞ホルモンのアンバランスが主な原因です。
月経がはじまる数日前からイライラしたり、頭痛、肩こり、むくみ、乳房の痛みなど、様々な不快感が現れます。
月経がはじまると、収まりますが、我慢できない場合は、症状によって精神安定剤や利尿剤、ホルモン剤を使います。
月経困難症は、子宮の発育不全、黄体ホルモンの分泌不全、月経時に作られるプロスタングランジンによる子宮への刺激などの機能的な月経困難症と、子宮筋腫、子宮内膜症、骨盤内の炎症・充血などの器質的な月経困難症があります。
下腹部の痛み、腰痛、頭痛、イライラ、下痢、腹部の圧迫感、脱力感などの辛い症状が月経中の数日間続きます。
器質性の場合は病気を治療し、機能性の場合は症状を合わせて、ホルモン療法や精神安定剤投与などを行います。