精神科
統合失調症、精神病の中では重篤な症状を示すものですが、内因性のものが原因で、身体的な外傷や病気や心理的な関係は認められず、はっきりした原因はわかっていません。
特徴的な症状は、自閉的になって外に出なくなる、他の人とのコミュニケーションが取れなくなったり、周囲に無関心になったりして、表情も人間的ではないものを感じますが、知的障害ではありません。
統合失調症には症状によって以下のタイプに分かれます。
破瓜型の統合失調症は、思春期に発症することが多く、だんだん思考が破滅的になっていき、感情が鈍くなっていきます。学校や職場からの精神的な隔離がおき、ひどい場合には友人や家族との交流もなくなり、1日中自分の部屋に閉じこもってしまいます。いわゆる引きこもり状態です。
緊張型の統合失調症は、強い興奮と石のような昏迷状態を行き来するものです。
興奮して大声を出したり、走り回ったり、逆に自分の中に閉じこもって、外にはまったく反応せず、家族が話しかけても返事もしないといった状態となり、幻聴や幻覚を伴います。
単純型の統合失調症は、幻覚や幻想、興奮といった特徴的な症状がないまま、徐々に感情が麻痺していって無気力になり、次第に自閉状態になるものです。
周囲から孤立して、生活する程度であることが多く、統合失調症の症状としては一番軽いものです。
妄想型の統合失調症は、幻聴と幻想が症状の主体で、幻聴は本当は誰も言っていないのに「何かしろ」と命令する声や、自分のことを悪く言う声が話しかけてくるのが聞こえたり、自分のことを批判している話し声が聞こえたりします。
また、自分の声が盗聴されていると思い込んだり、頭の中にチップが埋め込まれていて、自分は誰かに操られているという妄想がでてきます。このような症状が進んでくると、社会から孤立して感情がなくなってきて無気力になってしまいます。
抗精神薬を使用する薬物療法が中心となり、それと合わせて生活指導と作業療法がおこなわれます。
最近では早期発見と治療法の発達により入院を必要とせず通院だけで済むことが多くなっており、社会復帰が出来る患者が非常に多くなっていますが、今なお残る社会の偏見や差別が社会復帰の障害となっています。