精神科・内科
アルコール依存症は、慢性アルコール中毒といわれるものです。
失業や仕事のストレスなどの社会的要因によることが多いのですが、ストレスがなくても、飲酒を続けていくうちに辞められなくなり、依存するようになり中毒となります。
長年、アルコールを飲むことによって、酒量が増えていき、そのうち、酒が切れると禁断症状がおきて、イライラしたり、発汗、手の震えが現れたり不眠になったりします。ひどくなると、部屋の中にネズミが見えたりする幻覚がおきてきます。
症状が本人にとっても苦痛のため、またアルコールを飲んで禁断症状から逃れるため、精神的・身体的障害を伴い、肝臓や脳、胃や腸などに深刻な合併症を起こすことが良くあります。
深刻な脳の障害をおこすと、重い記憶障害が起きて、作り話をしたり、時間や場所がわからなくなるコルサコフ症候群などに陥ることがあります。
入院して禁酒して、禁断症状を乗り越えるようにします。
不安には精神安定剤、幻覚には向精神薬を使用します。
場合によっては、酒を嫌いになる抗酒薬を使用して、落ち着いてくれば精神療法を行います。
急性アルコール中毒は、酒の一気飲みなどで、短時間に大量のアルコールを飲むことで、血中のアルコール濃度が上がり、中枢神経の働きが鈍って酩酊状態になるものです。
体力や体質などで個人差がありますが、飲酒による気分の良さから、だんだん思考力が低下してきて、ひどくなると、昏睡状態になり、呼吸障害を起こします。
昏睡状態になった場合は、すぐ病院で気道確保や点滴の治療をします。
通常は泥酔すれば寝てしまいますが、病的酩酊は、少量のアルコールで酩酊し意識が薄くなる人に起きるものです。
周りの人に喧嘩をしかけたり、周囲の状況が全く分からなくなります。
朦朧として心神喪失状態になり、また、酩酊中や酔いがさめるころに興奮して、激しく乱暴して暴力犯罪をおこすこともあります。
断酒します。
薬物依存症は、好奇心や仕事の疲れをとるためや、ストレスなどから逃れるため、薬物を使用しているうちに快感となって、使用し続けなければいけなくなるものです。薬物としては、コカイン、覚せい剤、睡眠薬、トルエンなどの有機溶剤などが代表的なものです。
無気力や不活発な状態に陥ります。たいていの薬物では、使用しているうちに、量を増やさないと効果が出なくなるのと、使用を中断すれば、禁断症状が現れて、その不快感から逃れるためにに、また使用を続けます。
覚せい剤などの禁断症状では、幻覚や被害妄想によって攻撃的になり、殺人事件まで起こすこともあり、アヘン類のモルヒネなどでは激しい自律神経失調状態が現れてしまいます。
入院をして薬物の使用をやめるべきで、禁断症状には向精神薬を使用し、落ち着いたら精神療法を行います。