睡眠障害の不眠症・過眠症・睡眠時無呼吸症候群・ナルコレプシー・周期性傾眠症の症状と治療法

睡眠障害

原因らしい原因がない不眠症、仕事中に突然、眠ってしまう過眠症、昼間に突然強い眠気を感じて居眠りをするナルコレプシー、うつらうつらしている状態が数日から数週間続く周期性傾眠症、閉塞型と中枢型の睡眠時無呼吸症候群の症状と治療法です

原因らしい原因がない不眠症

原因らしい原因がない不眠症

受診科

精神科・神経科・心療内科

 

概要

不眠症の原因として、海外へ行った際の時差ボケなどの外部環境の変化、リウマチなどを伴う身体の病気、薬物が関係するもの、うつ病や統合失調症などの精神の病気などです。

 

しかし、不眠症でもっとも多いのは、原因らしい原因がないものです。
何かのストレスが原因となって眠れなくなり、それがきっかけで、ずっと眠れなくなり、そのため、病気ではないかと心理的な負担になるのが最も多いのです。これが不眠心気症あるいは神経質症性不眠と言われるものです。

 

症状

不眠の症状にはいろいろあります。

  • 入眠障害:なかなか眠りに入れないのに、いったん眠ると朝までぐっすり眠れる
  • 浅眠や熟眠障害:神経質な老人に多く、眠りが浅い
  • 途中覚醒:夜中に何度も目が覚める
  • 早朝覚醒:躁うつ病の人や老人に多く、朝とても早く目が覚めてそのまま眠れない

原因のない神経質症性不眠症の人は、ほとんどの人が入眠障害をおこしています。
そのため、日中は眠気やだるさが残り、夜になると、眠れないのではないかと不安のために、また寝つきが悪くなるという悪循環になります。

 

治療

心身の病気から不眠症になっている場合には、まずその病気を治療します。
心理的なものから来る不眠の治療は、心理的な面に働きかける支持療法や森田療法、精神療法、抗不安薬や睡眠薬などの薬物療法を行います。

 

仕事中に突然、眠ってしまう過眠症

概要

過眠症は時差ぼけなどの外部環境の変化、睡眠不足による疲労、病気の回復期などで、日中に眠気がおきるのは当然ですが、これ以外に、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシーや周期性傾眠症などのように病的なものが原因でおきるものがあります。

 

症状

通常より多い睡眠時間になり、日中耐え難い眠気に襲われ、仕事中に突然、眠ってしまうことがあります。

 

治療

病的な過眠は、その原因となる病気を治療し、その他に過眠は治療の必要はありません。

 

昼間に突然強い眠気を感じて居眠りをするナルコレプシー

概要

ナルコレプシーは睡眠障害の一種で、原因はわかっていませんが、遺伝的な体質が原因ではないかと言われています。まれな病気ですが、青年期の男性に多くおきます。

 

症状

ほとんど毎日、昼間に突然強い眠気を感じて居眠りをしてしまうもので、大体の場合が20分以内にすっきりと目覚め、眠気は本人の意識とは関係なく、試験やスポーツの試合あるいは重要な会議などでも眠ってしまうほど強いものです。

 

この症状に伴って、笑ったり泣いたりすると急に体の力が抜けたりする脱力症状も現れることがあります。

 

治療

とても治りにくい病気ですが、30歳を過ぎてから自然に治ることもあります。
メチルフェニデートなどの精神刺激薬を使用し、生活のリズムを整えることも大事です。

 

うつらうつらしている状態が数日から数週間続く周期性傾眠症

概要

周期性傾眠症の原因そのものはわかっていませんが、仕事やスポーツによる過労がきっかけとなり、稀な病気ですが成人前の若い男性に多い病気です、

 

症状

一日中、寝床で眠っているか起きていても、うつらうつらしている状態が数日から数週間続いて、治っても数か月周期でこの症状を繰り返します。症状が現れているときに過食がおきる場合(クライネ・レビン症候群)もあります。

 

治療

成人すると、自然に治ってしまうことも多く、治療するなら、メチルフェニデートなどの精神刺激薬を使用し、生活のリズムを整えます。

 

閉塞型と中枢型の睡眠時無呼吸症候群

概要

睡眠時無呼吸症候群は、肥満や耳鼻科の病気によって睡眠中に喉が詰まってしまう閉塞型と、老人などで呼吸中枢の働きが低下するために呼吸が止まる中枢型、これらが混じっている混合型があります。

 

肥満によって閉塞性無呼吸をおこすものをピックウィック症候群といいます。

 

症状

睡眠中に頻繁に呼吸が止まり、そのたびに目覚めるので、不眠となり、日中に強い眠気を訴えることがあります。呼吸停止が多くなると、高血圧や心臓肥大などの重大な症状をおこすので、注意が必要な睡眠障害です。

 

治療

原因となった肥満や耳鼻科の病気の治療が第一で、呼吸を補助する装置を使うこともあります。不眠だからといって睡眠薬を使うと、呼吸抑制作用や筋弛緩作用によって、さらに症状が悪化してしまうことがあります。


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