腎臓内科・泌尿器科・小児科
尿毒症は腎不全の最終段階で、腎機能が極端に低下して、排出されるはずの老廃物が体内に溜まり、様々な全身症状が出現するようになる病気ですが、症状とも言えます。放置すれば生命の危機に瀕します。
乏尿や無尿、むくみの他に消化器、神経系、心臓系、視力、皮膚、骨などに、様々な症状が全身にわたって現れてきます。症状は1つだけ現れることもありますが、複数現れることもあります。
症状は急速に進行して悪化しますから、様子をみている余裕はありません。
早急に入院が必要で、安静にしてタンパク質や食塩を控える食事療法と、
同時に透析療法の開始が必要です。
自己免疫疾患で全身に炎症を起こすのが全身性エリテマトーデスという病気です。
全身性エリテマトーデスで出来る抗原抗体の複合物が腎臓の糸球体に付着して、
炎症をおこすのがループス腎炎です。
全身性エリテマトーデスを発病している人の約90%の人がループス腎炎にかかります。
全身性エリテマトーデスの症状と共に、蛋白尿、血尿やむくみが現れます。
症状がひどい場合は、ネフローゼ症候群を示すこともあり、腎機能が低下する場合もあります。
副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤を使用する薬物療法をしますが、
腎不全まで進行すると透析療法を行います。
腎硬化症は、高血圧が原因となって、腎臓の小さな動脈に動脈硬化がおきて、
腎臓の機能が徐々に低下するものです。
高血圧には原因不明の本態性高血圧症と、他の病気が原因の続発性高血圧症がありますが、腎硬化症は、どちらの高血圧症も原因となるものの、本態性高血圧症が原因の8割も占めています。
高血圧は動脈硬化の始まりと言われているので、腎硬化症も高血圧になってから、徐々に進行し始めると考えられます。腎硬化症は良性腎硬化症と悪性腎硬化症に分けられますが、多くは良性腎硬化症です。
高血圧に伴う動脈硬化が十数年にわたって進行していき、腎臓への血液量が減少することで、
おきるものです。中年以上の人や特に老年になってからおこりやすいのです。
自覚症状がないものもありますが、通常は肩こりや頭痛、めまい、動悸などの高血圧と似たような症状がありますし、軽い蛋白尿もでます。ゆっくりと進行した場合は腎臓機能が次第に低下していきます。
最初に高血圧症の治療が基本となり、そのための食事療法や薬物療法をしますが、
腎臓機能低下が進行した場合には透析療法が必要です。
腎動脈の著しい硬化や動脈の炎症が原因で高血圧を示し、
腎臓は阻血状態になり、急速に腎臓機能が低下します。
最低血圧が120以上になるなど、血圧はかなり高くなります。
尿たんぱくは多く血尿もありますし、眼底出血などを合併して失明することもあります。
腎機能低下がひどく、急性腎不全を起こしていることも、よくあります。
重症だと意識障害や痙攣などを起こします。
できる限り薬剤や食事療法で降圧を試みますが、抵抗性を示した場合は腎不全となり透析療法が必要になります。
腎梗塞は、片方が両方の腎動脈の内腔に血栓につまって、血管が閉塞して、血液が流れなくなるものです。太い動脈が完全に閉塞すると、腎臓が壊死(梗塞)してから萎縮していき、2か月ほどで機能が停止して回復しないようになります。
心臓弁膜症や動脈硬化で発生する血栓が原因になることが多いのですが、
閉塞性動脈炎や強皮症や外傷などで腎動脈が閉塞することもあります。
軽い場合は自覚症状がなく、症状が出るときは、激しい腹痛と共に、悪寒、嘔吐、発熱、血圧上昇がおきますし、乏尿や無尿などの急性腎不全の症状が出ることもあります。
すぐに入院することが必要になり、軽い血尿が出るくらいの症状なら安静にして、
抗血液凝固剤や血栓溶解剤を使用します。
高血圧が続き、梗塞が片方だけに発生している場合は手術で腎臓を摘出することもあります。