腎臓内科・泌尿器科・小児科・血管外科
腎性高血圧は片方か両方の腎臓の病気が原因となっておきる高血圧で、
その原因となる腎臓の病気の性質で、腎血管性高血圧と腎実質性高血圧の2つに分けられます。
腎血管性高血圧は、動脈硬化や動脈炎、または生まれつきに腎動脈が狭いか閉塞している腎動脈の病変でおき、若い人が多く発症します。
頭痛、めまい、肩こりなど高血圧のような症状です。
降圧剤などの薬物のほか、血流を回復するための外科的な手術をします。
腎実質性高血圧は、腎臓内の糸球体と尿細管のすべて含めた腎実質で、糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、水腎症、腎硬化症などの病気が原因で高血圧になります。
頭痛、めまい、肩こりなど高血圧のような症状です。
原因となっている病気の治療と共に降圧剤の投与をします。
腎静脈血栓症は、片方か両方の腎静脈に血栓ができて閉塞してしまうものです。
小児が発症した場合は先天的なもので、成人になって発症するとネフローゼ症候群や血液疾患などが原因となります。
発症時には、腰痛、発熱、血尿、蛋白尿、乏尿、無尿などがあり、重病の場合は腎不全となります。
抗擬血薬などの薬物を使いますが、場合によっては手術で血栓を除去することも行います。
腎動はしっかり支えられていないので、立つと5センチほど下に移動します。
それ以上に大きく下降して骨盤腔まで移動するのが遊走腎です。
尿管が曲がったり腎動静脈が伸びてしまって、尿流通過障害や腎盂腎炎などの原因となります。痩せている10歳代〜40歳の女性に発症しやすい病気です。
自覚症状がない場合もあり、症状が現れるのは、長時間立ちっぱなしのときに、
腹部痛、腰痛、腰のだるさ、吐き気、胃痛、食欲不振、血尿、蛋白尿などが現れます。
腹筋や背筋を強化する運動が必要で、腹帯で腎臓を固定したりもしますが、
症状によっては腎臓を固定する手術をします。
馬蹄腎は、左右の腎臓が下部でつながって1個の馬蹄のような形になってしまうもので、胎児のときに起きやすい病気です。
自覚症状がない場合もありますが、症状がある場合は、尿流通過障害や腰痛があり、
その後、水腎症や尿路結石がおきることもあります。
自覚症状や合併症がなければ治療の必要はありませんが、何回も尿路結石や細菌感染を繰り返す場合は手術をします。
単純性腎膿疱は、胎児のときに腎臓に障害がおきて、尿細管の尿の流れが滞ることで膿疱ができる病気です。
ほとんどの場合は、自覚症状はありませんが、まれに腰痛や、大きくなった腎臓が胃などの臓器を圧迫するため、吐き気や嘔吐などがおきることがあります。
腎臓が周囲の臓器を圧迫したり、ガンなどを合併しているなら手術をします。
特発性腎出血は、腎臓からの出血で原因が不明なものです。
急に血尿がでて何日も何か月も続くものですが、他には症状はありません。
止血剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、抗プラスミン剤などの薬を使用します。
尿路が圧迫、閉そくして尿の流れが停滞すると、腎盂や腎杯などの部分に尿が溜まり膨張します。この膨張によって腎実質が圧迫されて薄くなり腎機能が低下するのが水腎症です。
障害が起きる原因となる病気は様々あり、子供の頃は腎臓や尿管の先天的な形態異常、
中高年の場合は、尿路結石や膀胱がん、さらに男性では前立腺肥大や前立腺癌、
女性では子宮筋腫や子宮がんなどの病気が原因となります。
子供の場合は腹部が膨張し、大人の場合は腎臓の付近が激しく痛みます。
他の臓器を圧迫するようになると嘔吐などがおき、腎機能低下を示すこともあります。
病気の種類により治療法は異なり、手術やカテーテルによる治療を行いますが、機能回復が困難の場合には腎臓の摘出します。