内科・泌尿器科・小児科
急性腎盂腎炎は、片方か両方の腎盂や腎実質に細菌が感染する病気です。
細菌の感染する道として、血液やリンパ液が一般的ですが、ほとんどは膀胱から尿管へ逆流していく膀胱炎が原因となることが多いのです。
女性の尿道は男性より短いので細菌に感染しやすいので、女性に多く発症します。
膀胱炎の三大症状は、頻尿、排尿痛、残尿感で、もちろん、これらの症状もありますが、
加えて、悪寒や高熱があり、腰痛を伴ってきます。
腰を叩くと痛みがあり、尿に膿が混じることもあります。
安静にして水分を十分に補給し、排尿をし、抗生物質を投与します。
慢性腎盂腎炎は、急性の腎盂腎炎に何度もかかると、治りにくくなり慢性化します。
腎臓や尿路系に奇形があったり、糖尿病を合併したりしていると、慢性化の原因になりやすくなります。
腎機能障害がおきて、腎盂や腎杯の萎縮や変形を生じ、十数年かかって腎臓は萎縮してしまい、最終的には腎不全になってしまいます。
ゆっくり進行している場合には自覚症状はありませんが、あっても疲労感や食欲不振位です。
短期間に進行するものは、悪寒、発熱、腰痛、尿の濁り、高血圧が現れます。
長期にわたって抗生物質の薬剤療法をしますが、症状に応じて種類や量などを選択調節します。尿の流通障害があれば手術をしますが、腎不全となった場合には、透析療法を行います。
腎周囲炎は、腎盂腎炎などの細菌感染の炎症が、腎臓周囲や腎実績に影響を及ぼすものです。
身体のどこかが化膿していて、その化膿部分から膿が血液で腎臓に運ばれて炎症を起こす場合は、腎臓の膜と周囲組織の間で炎症がおこって膿が溜まりますが、これは腎周囲膿症とう病気です。
発熱や腰痛、腎臓付近に強い痛みがおきます。
抗生物質を投与し、膿が溜まっている場合は、針を刺して膿をだすか、切開して取り除きます。
膀胱炎は、膀胱に細菌が感染して炎症がおきる病気で、10歳代〜40歳代の女性に多く発症します。女性は尿道が短い上に、尿道に細菌が入りやすいのです。
特に、過労や風邪、妊娠など抵抗力が落ちている場合に、細菌に感染して膀胱炎になります。
また、排尿を我慢しなければならない仕事に従事していると、発症する場合もあります。
急に頻尿、排尿痛、残尿感をおこし、尿の濁りや血尿をおこします。
十分な水分の補給と排尿を我慢しないことです。
細菌に有効な抗生物質を投与すると、2〜3週間で完治します。
尿道炎は、尿道に細菌が感染して炎症をおこすほか、アレルギーや尿道内への異物侵入でも発病します。
尿道から黄色い分泌物がでたり、排尿痛や頻尿、残尿感があります。
菌の感染が原因であれば、有効な抗生物質を投与し治療しますが、
それ以外の原因に関しては、それにふさわしい治療をします。
飲酒などの原因の場合は完治するまで控えます。
尿道狭窄は、先天性のものや尿道炎や尿道外傷などの後遺症で、尿道の内腔が狭くなるものです。放置すると、残尿や水腎症、腎機能の低下に進行する場合があり、尿道が長い男性が女性より発病率が高い病気です。
排尿が困難になり、尿に勢いがなくなり、進行すると、尿が出なくなったり濁ったりします。
症状が軽い場合には、尿道に管をいれて広げれば回復しますが、重症の場合には、手術で切開します。