原発性・続発性ネフローゼ症候群の症状と治療法

ネフローゼ症候群

糸球体に障害をおこすネフローゼ症候群は、原因のわからない原発性と原因となる病気がわかっている続発性の2つに分けられます。ネフローゼ症候群は大人より子供に多く発症し、特に原発性のものは半数が小学校までの子供におきています。

糸球体に障害をおこすネフローゼ症候群

糸球体に障害をおこすネフローゼ症候群

 

受診科

腎臓内科・小児科

 

腎臓の糸球体は、ブドウ糖やアミノ酸はろ過しますが、たんぱく質はろ過しないものです。
ところが、糸球体に障害が発生すると、ろ過しないはずのたんぱく質はどんどんろ過されて、
糸球体からボーマン嚢、さらに尿細管へと流れていきます。
このたんぱく質の量が多いために、尿細管では再吸収するのが間に合わなくなります。

 

その結果、たんぱく質は尿へ溶け込んで、そのまま体外へ排出されることになります。
健康な状態でも多少のたんぱく質は尿に入っていますが、糸球体に障害がある場合には大量になります。

 

この影響で血液からタンパク質が減少し、コレストロールは増加して、水が体内に溜まってむくみがみられます。このような病変は色々な病気が原因となって、糸球体に障害を与えることでおきます。
このような複数の病気の総称がネフローゼ症候群です。

 

糸球体に障害をおこすネフローゼ症候群は、原因のわからない原発性と原因となる病気がわかっている続発性の2つに分けられます。ネフローゼ症候群は大人より子供に多く発症し、特に原発性のものは半数が小学校までの子供におきています。

 

原発性ネフローゼ症候群

原因

原因そのものははっきりしませんが、糸球体そのものの障害の種類はいくつかあります。

 

症状

蛋白尿、低たんぱく血症、むくみ、高脂圧症を示します。

 

治療

安静にして塩分を控えた食事療法をします。
副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤といった積極的な薬剤療法と共に利尿剤を併用します。

 

続発性ネフローゼ症候群

原因

糖尿病やアミロイドなどの代謝性疾患です。
全身性エリテマトーデスなどの膠原病や、悪性腫瘍、細菌性の感染症、マラリア、梅毒、妊娠中毒症などでもおきます。

 

症状

原発性と同じです。

 

治療

基本的には、原発性ネフローゼ症候群の治療をします。
保存的療法としては、原発性のものと同じですが、薬物療法は原因となっている病気の症状に合わせた治療を行います。

 

糖尿病性腎症

受診科

腎臓内科・泌尿器科

 

原因

糖尿病が原因でなった腎障害で、ネフローゼ症候群を呈して進行すると、
腎不全にまでになる病気です。

 

症状

初期には、ごくわずかな蛋白尿がみられるのみですが、だんだん蛋白尿が増えてくると、
高血圧、貧血、むくみがおきてきます。そのうちに腎機能は低下して、ついに慢性腎不全となります。

 

治療

初期には食事療法や薬物療法によって、糖尿病そのものを悪化させないようにします。
蛋白尿が認められるようになった薬物療法が行われ、進行して腎不全になると透析療法が必要になります。


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