LDH・ALP・γ-GTP・LAP検査で判明する病気

血液生化学検査

LDH(ラクテート・デヒドロゲナーゼで乳酸脱水酵素)は、糖が分離されるときに働く酵素の一つで、ALP(アルカリホスファターゼ)は、身体の大部分の臓器や細胞に含まれているリン酸酵素です。γ-GTPは、腎臓に多く含まれているほか、すい臓、肝臓などにも見られ、たんぱく質を分解する酵素です。

血清でわかる酵素の検査

LDH検査

LDH検査

LDH(ラクテート・デヒドロゲナーゼで乳酸脱水酵素)は、糖が分離されるときに働く酵素の一つです。

 

肝臓、腎臓、肺などに多く含まれ、肝臓病、心臓病、悪性腫瘍などで、数値が跳ね上がることの多い酵素です。

 

LDHには、5つのアイソザイム(形や性質の異なる酵素群)があり、臓器によって持っているアイソザイムが違ってきます。その臓器に疾患があるかによって、増えるアイソザイムが違ってきます。

 

判明する病気

悪性リンパ腫、ウィルス感染、肝臓癌、心筋梗塞、貧血

 

LDH検査に異常が認められる場合には、GOT検査、GPT検査など、他の血液生化学データを合わせて鑑別診断が必要になります。

 

ALP検査

ALP検査

ALP(アルカリホスファターゼ)は、身体の大部分の臓器や細胞に含まれているリン酸酵素ですが、血液中に認められてるのは、正常では肝臓と骨が本来持つALPです。

 

ALPを調べると、胆汁の流出経路(肝内胆管、総胆管)の異常を測定できます。また、骨の病気でも異常値となります。

 

疾患によっては、胎盤、小腸が本来もつALPが認められ、正常値は検査方法によりかなり異なります。

 

判明する病気

閉塞性黄疸、総胆管結石、胆汁うっ滞型肝炎、肝硬変、骨転移癌、くる病、妊娠

 

ALP、γ-GTP、LAPなどの値が揃って異常値を示す場合は、胆道系の疾患が考えられます。
ALPだけが異常で、γ-GTPが正常だと、それ以外の病気が考えられます。

 

γ-GTP検査

γ-GTP(ガンマ・グルタミール・トランスペプチダーゼ)は、腎臓に多く含まれているほか、
すい臓、肝臓などにも見られ、たんぱく質を分解する酵素です。

 

γ-GTPは、アルコールに敏感に反応し、肝臓や胆道に疾患があると異常値を示します。

 

γ-GTP検査の正常値

成人男性:50 IU/リットル
成人女性:30 IU/リットル

 

判明する病気

アルコール性肝障害、胆道癌、総胆管結石、肝内胆汁うっ滞

 

飲酒が習慣づいている人のγ-GTP値は少し高めの数値を示します。
他の肝機能検査では異常が見当たらないのに、γ-GTP値だけが高い値を示す場合は、アルコールの多飲が原因です。

 

LAP検査

LAP(ロイシン・アミノペプチダーゼ)は、肝臓や膵臓に多く含まれる酵素で、ロイシンなどのタンパク質を分解し、LAP値は肝臓や胆道の病気の診断に役立ちます。

 

LAP検査の正常値

30〜70 IU/リットル

 

判明する病気

肝炎、胆道閉塞、妊娠

 

肝臓、胆道疾患で異常を示しやすく、あまり特異性はありません。

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