小児科
風疹は、唾液による飛沫感染で、2〜3週間の潜伏期を経て発症します。
3歳〜10歳くらいの小児に多い病気で、年齢が低いほど症状は軽く済みます。
風疹にかかると、軽い発熱があり、鼻炎や頭痛、目の充血などと共にピンク色の発疹が全身に出てきます。発疹は、まず耳の後ろからで、やがて、顔や首、手足に出てきます。
特に治療しなくても、数日で熱は下がり、発疹も消えることから「三日はしか」と呼ばれ、特別な治療は必要ありません。
風疹は、1度かかると、一生免疫ができるのですが、妊娠3か月くらいまでの妊婦が感染すると、心臓や耳などに、先天性の障害を持つ子供が生まれる可能性がありますので、その場合は、予防接種を受ければかかりません。
突発性発疹は、生後6か月から1歳半くらいの乳児がよくかかるウィルス性の感染です。
突発性発疹の症状は、ひきつけが起きるほどの高熱が数日続き、耳の後ろのリンパ節が腫れますが、熱が下がると、赤い発疹が全身に現れます。
風疹やはしかのように感染が広がって流行したりすることはありませんが、
有効な治療法はありません。
ウィルスは2種類あり、2回かかることがあります。
はしかは、感染力の強い麻疹ウィルスによっておきる病気です。
生後6か月くらいまでは、母体の免疫が残っているため、感染することがあまりないのですが、それ以後、5歳くらいまでの小児が多くかかります。一度、はしかに感染すれば、身体に免疫ができて一生かかりません。
はしかは7日〜10日からの潜伏期間を経て発症します。
まず、高熱と共に、くしゃみや咳、鼻汁などが出て、風邪のような症状がでて、目が赤くなり、目やにが出るのが特徴です。
そのような症状が数日続いてから、口の中の粘膜に白い水泡上の斑点がたくさん現れ、やがて赤い発疹が出て、耳の後ろや顔、首と広がり、四肢から全身に発疹が及びます。
高熱が続いてから1週間足らずで発疹の色は薄くなり、熱も下がってきます。
なかなか熱が下がらないときは、中耳炎や肺炎あるいは脳脊髄炎を合併している可能性があり、最悪の場合は、肺炎で死亡することがあります。
はしかの有効な治療法はないので、安静にして栄養のあるものを与えます。
1歳になったら、はしかの予防接種を受けることで、予防になります。
おたふくかぜは、唾液に含まれるムンプスウィルスが飛沫感染して発症します。
高熱を出して、片側あるいは両方の耳下腺が腫れて、おたふくのような顔になる病気です。
2歳〜7歳くらいまでに感染することが多いのですが、1度かかれば、免疫ができて一生かかりませんし、腫れなくても免疫ができる子供もいます。
おたふくかぜは、2〜3週間ほどの潜伏期間を経て発症します。
発熱、頭痛があり、耳たぶの下が腫れてきます。
数日で、腫れが大きくなって、熱も40度くらいの高いものになり、腫れは押すと痛みます。
その後、1週間ほどで腫れも消えてしまいます。
おたふくかぜは、ムンプス腱鞘炎や骨膜脳炎を合併することもあります。
有効な治療法はないので安静にしておきます。
予防接種を受ければかかりません。
水疱瘡は、水痘ウィルスが接触や飛沫などの感染によって、2〜8歳くらいまでの小児が良くかかる病気で、2〜3週間の潜伏期間を経て発症します。1度かかれば、免疫ができて一生かからないことがほとんどです。
水疱瘡は、発症すると、まず熱が出て、赤いブツブツが顔や胴体に出てきます。
やがて、ブツブツは水泡に代わり、それも数日後、乾いてカサブタになって1週間〜10日ほどでとれます。痒みを伴うのですが、掻いてしまうと、化膿するため注意します。化膿したときは抗菌薬を使用します。
水疱瘡の有効な治療として、アシクロビルで治るようになりました。
水痘には、亜鉛華リニメント軟膏を塗って、早く乾燥するようにします。
予防接種を受ければ、発病を防ぐことができます。
リンゴほっぺ病は、ウィルス性の感染で、両方の頬がリンゴのように、真っ赤に腫れる病気です。
3〜12歳くらいまでの子供がよくかかる病気ですが、1度かかると一生かかりません。
だいたい、2週間の潜伏期間を経て発症し、頬の赤さは1週間ほどで消えます。
リンゴほっぺ病の症状としては、微熱が出たり、頭痛や関節痛、咳が出る場合もあります。
頬の次は1日か2日して、首や胴体や手足に網目状の発疹が現れてきます。
色が薄くなっても、太陽光線に当たったりすると、また濃くなります。
リンゴほっぺ病の治療法は、とくになく、かゆみ止めを使用するくらいです。
ウィルスが妊婦に感染すると、胎児に感染し、流産、死産、胎児水腫などを引き起こします。
溶血性貧血の子供が感染すると、急に貧血がひどくなることがあります。
登園や登校には問題ありませんが、発疹の期間はまちまちで、1か月ほど続くこともあります。