小児科
・川崎病・血友病・心疾患胆道疾患・食堂閉鎖症
脳性麻痺は母体からの感染や酸素欠乏などで、胎児のときに障害が発生したり、お産のときに外傷や髄膜炎、未熟児、仮死などが原因で脳が障害されておきます。
筋肉の硬さの異常と運動障害がおこるもので、新生児の0.1%くらいに発症すると言われています。
脳性麻痺の症状としては、首が座らなかったり、四肢の動きが悪かったり、成長によってするハイハイやつたい歩きなどの動作ができません。
そのほか、けいれんや斜視などの目の異常や知能、言語に障害が現れてきます。運動障害としては、片側の手足だけに出るものや、四肢が麻痺するといった両方の麻痺があります。
治療は、理学療法、けいれんについては薬物療法を行います。
川崎病は、原因不明の全身性の血管炎で心臓の合併がおきる病気で、
発症は4歳以下の乳幼児がほとんどです。
心臓の合併症としては、冠動脈が腫れたり、まれに心筋梗塞がおきて命にかかわることがあります。
川崎病の症状は、急に高熱が出て、1週間ほど続きますが、その間は目が充血したり、唇や舌が赤くなったり、手足の裏が赤く腫れあがります。首のリンパ節が腫れて、体中に発疹が現れることもあるので、麻疹(はしか)と間違えることもあります。
治療はガンマグロブリンの注射やアスピリンの服用が有効で、動脈瘤がひどいと、バイバス手術をすることもあります。多くの場合は冠動脈流を残さないように治療します。
血友病は血液が固まりにくいために、出血すると、いつまでも止まらなくなる病気です。
血友病といっても、特に血友病Aが多く、遺伝の関係で男児だけが発症します。
出血した際に、凝固因子を静脈に注射して血を止めます。
血友病の90%近くが5歳くらいから発症する病気で、関節内に出血して、血腫ができる関節血症を繰り返しながら、次第に関節が変形していきます。
関節の怪我などで関節の腫れや痛みがおきて関節炎の症状が出たときに、多量の出血があると、炎症がずっと続いていきます。治療は整形外科的なものを行います。
生まれつき心臓の形に異常があるものを先天性心疾患と言い、先天性心疾患の子供は全体の1%近く生まれてきます。軽い先天性心疾患もありますが、3分の1は重症で、出産後すぐ処置をしなければ命に関わる重い病気が多いのです。
先天性心疾患の症状は、生後体重が増加しなかったり、母乳やミルクを飲む力が不足したり、唇が紫いろになるチアノーゼが現れます。3分の1は3歳くらいまでに自然に治り、そうでないものは穴の大きさや位置によって手術をします。
胆道の一部か大部分が生まれつき閉塞しているものが先天性胆道疾患です。
先天性胆道疾患の症状としては、生後数週間で肌が黄色になる黄疸が現れ、便が白くなり、肝臓の腫れで腹部が膨らんできます。治療は、胆道と腸管をつなぐ手術を行います。
逆に生まれつき胆管が膨らんでいるのが先天性胆道拡張症です。
これがあると成人してから、腹痛、発熱、黄疸などの症状が現れ、胆道炎、急性膵炎、ガンを合併しやすくなるので手術が必要になります。
先天性食道閉鎖症は、食道が途中で完全に切れ、途切れている部分の胃の側の先端が気管につながっている確率がとても高いものです。
先天性食道閉鎖症の症状として、新生児に水やミルクを飲ませるとすぐに吐いたり、激しくむせたり、唾液が喉の奥に入らず、口から外に出てしまいます。
放置すると、肺炎や栄養失調になり、1〜2週間で死亡するので早期手術が必要です。
モルキオ病は、2歳ころから骨格の変化と小人症が現れる生まれつきの骨の病気で、ムコ多糖症の一つです。
モルキオ病は、首が短く、背骨がひどく曲がり、鳩胸、X脚、目の角膜が濁って視力が低下します。コルセットを使用して治療をします。