内科・外科・呼吸器科・感染症科
猫に引っかかれたり、咬まれたりして、猫が保有する菌が感染する病気です。
欧米やオーストラリアなどで、よく見られる病気ですが、日本ではあまり発症例はありません。
引っかかれた所に発疹ができ、発熱や頭痛があってから、傷の近くのリンパ節が腫れます。
手に傷を負ったなら、わきの下のリンパ節が腫れることが多く、
しかし、リンパ節の腫れはたいてい2〜3か月で自然に完治しますが、
1年ほど近く腫れ、化膿することもあります。
化膿するのを防止する場合は抗生物質を投与します。
オウム、インコ、カナリア、鳩など、ペットとなる鳥が持っている鳥型クラミジアが、
人に感染しておきる呼吸器疾患で、肺炎などをおこします。
クラミジアはウィルスとリケッチアの中間に位置する病原体で、
ペット飼育が盛んになったことから、この病気も増えてきています。
オウム病にかかるのは、病気にかかった鳥が飛ばしたゴミや糞を人が吸いこんだ場合などで、
稀に、それらの鳥を飼っていた家族全員がかかってしまう場合があります。
10日ほどの潜伏期間を経て、高熱、咳、頭痛、筋肉痛、倦怠感などの細菌性肺炎の症状が現れ、さらに、腹痛、嘔吐、下痢などの消化器症状がでることもあります。
その他は、中枢神経、循環器、皮膚などに症状がともなうこともあります。
テトラサイクリンやマクロライドなどの抗生物質による治療が有効です。
野鼠に寄生するツツガムシというダニの一種には、ツツガムシ病リケッチアという寄生性の病原体微生物を持っているものがいます。人がリケッチアを持っているツツガムシの幼虫に刺されると感染します。
東北地方に昔から発生する風土病として知られていましたが、
今では全国的に秋から冬にかけて発生するものもあります。
最近では、野鼠の増殖により、病気そのものが増えています。
刺された部位が赤く腫れてから、かさぶたができ、その近くのリンパ節も腫れます。
1週間くらいで寒気と高熱が10日ほど続きます。
さらに、頭痛、筋肉痛、または目の充血がみられ、全身に赤い発疹がみられます。
テトラサイクリンかクロラムフェニコールなどの抗生物質が有効ですが、
治療が遅れて肺炎や脳炎などの合併症をおこせば、生命にかかることもあります。
野兎が持っている野兎病菌が人に感染して、野兎に寄生するダニに刺されることが原因で
感染する病気です。
野兎病菌は、野兎を料理するときに傷口から入ったり、目の粘膜から入ったり、半生で食べたりすることで、体内に入る場合がありますが、生命にかかわるほどの病気ではありません。
感染して数日すると寒気や高熱が出ると共に、嘔吐、頭痛、関節痛などがおきます。
菌が傷口から入った場合は、発疹が現れて潰瘍になり、傷口の近くのリンパ節が腫れ、ひどい場合は可能します。目から入った場合には、目の周りの組織が炎症をおこし、肝臓障害を合併することがあります。
ストレプトマイシン、テトラサイクリン、マクロライドなどの抗生物質が効果があります。
本来は馬や牛、山羊などの家畜の病気ですが、炭疽菌が人にも感染して重い病気をおこします。発症率は少ない病気ですが、感染すると生命の危険があります。
日本では菌が傷口から入る皮膚感染のみです。
1週間以内の潜伏期間を経て、高熱が出て傷が潰瘍になります。
皮膚に赤い発疹ができて、それが水疱になり、カサブタになります。
放置していると、菌がリンパ節から血液に入り、肺血症で死亡することがあります。
早期の治療が必要で、ニューキノロン剤ペニシリン、テトラサイクリンなどの抗生物質の投与が有効です。
レプトスピラ症は、ネズミや犬に寄生してる数ミクロンの病原菌微生物が、
尿と共に排出され、水や食物を汚染して、人の皮膚や口から入って感染します。
発熱や眼球結膜充血、筋肉痛がおきますが、重症になると、蛋白尿、腎臓障害、黄疸、出血がおきることもあります。
ストレプトマイシンやペニシリンなどの抗生物質の投与します。