内科
カニを生で食べると、寄生する肺吸虫の幼虫が体内に入って移動し、
肺に定着すると、成虫となって肺吸虫症をおこします。
原因となる肺吸虫症の種類は多いのですが、日本では貝やアメリカザリガニ、モクズガニなどに寄生するウェステルマン肺吸虫と、サワガニに寄生する宮崎肺吸虫の2種類が原因となっています。
ウェステルマン肺吸虫症では喀血や血痰がでて、宮崎肺吸虫症では発熱や胸痛、倦怠感があって、自然気胸や胸水貯留があります。
また、肺吸虫が脳に入り込むと、てんかんや半身麻痺がおきます。
プラジカンテルが有効です。
肝吸虫症は、淡水の貝や、コイ科の淡水魚を食べると、寄生している肝吸虫の幼虫が人の胆管に寄生して、成虫となって、胆汁の流れや肝臓機能を阻害します。
食欲不振や下痢がありますが、慢性になると、貧血や肝臓の腫れ、肝炎、黄疸、肝硬変などを起こします。
アンチモン剤を注射したり、プラジカンテルを内服します。
ミヤイリガイに寄生する日本住血吸虫の幼虫であるセルカリアが、皮膚から体内に入り、
肝臓や腸の血管に寄生して、成虫となって日本住血吸虫症をおこします。
最近では、新たな感染はみられませんが、慢性症状を抱えている人もいます。
幼虫が皮膚から入ると皮膚炎がおき、感染すると粘液状の血便がでます。
慢性化すると貧血になって、肝硬変や脾臓の腫れがおきます。
アンチモン剤を注射したり、プラジカンテルを内服します。
広東住血吸虫の幼虫が寄生しているアフリカマイマイを生で食べると発症します。
熱や咳などの、風邪のような症状がでてきますが、
幼虫が脊髄や脳に侵入すると、髄膜炎や膿性の麻痺がおきます。
虫を駆除する薬剤はありますが、症状そのものを治療する薬剤はありません。
治療する場合には抗マラリア剤などを使います。