感染症科
ガーデニングなど土をいじっていて外傷を受けた場合など、
汚れた傷口から土の中ににある破傷風菌が入って繁殖して、
生産された毒素が末梢神経や脊髄前角細胞を侵すことで発症します。
感染した人の半分が死亡する危険な病気ですが伝染はしない感染症です。
傷そのものが治っても破傷風菌は潜伏しますから、
感染症は数日から数か月してから発症します。
全身の筋肉が痙攣することが特徴で、最初は首が張り、
倦怠感や不眠が数日続きます。次の段階は口が開けにくくなり、
やがて食べ物がのどを通らなくなり、言葉が話せなくなります。
この頃になると、全身の筋肉の影響が大きく、排尿排便が困難になり、
ちょっとしたことでも、胸や腹から全身にかけての筋肉がひどく痙攣や
発作をおこすようになります。
最後は呼吸困難や心臓衰弱で死亡します。
抗毒素血清や抗生物質の投与などが行われます。
また、外傷を受けた場合は、すぐ破傷風トキソイドのワクチンを接種すると
発症を予防できます。
患者や保菌者の便や尿から排泄された腸チフス菌が、食べ物や水を汚染して口から入ります。口から入った菌は、小腸で潰瘍を作ったり肝臓や腎臓で繁殖して、血液に入り込み全身に病変をおこします。
2類感染症で生命にもかかわる病気ですが、近年は発症率が減少しています。
1〜2週間の潜伏期間があり、発熱と下痢を発症し、身体の倦怠感や食欲不振がおきてきます。口が渇き、皮膚には花のように赤い発疹が現れ、肝臓や脾臓も腫れてきます。
重症になると、意識障害がおきてきて、便秘と下痢を繰り返しますが、
3週間ほどすると回復してきます。
腎盂腎炎、肺炎、骨髄炎、軽い肝障害などを合併することもあります。
ニューキノロン剤、クロラムフェニコールなどの抗生物質を投与します。
回帰熱はシラミやダニに刺されたことで回帰熱スピロヘータの感染が原因で起きる病気です。
10日間の潜伏期間を経て、悪寒と共に、高熱がでます。
嘔吐・頭痛・筋肉痛がでて、重くなると、意識障害になります。
症状が回復しても、また同じ症状に「回帰」するので回帰熱という病名なのです。
抗生物質を投与します。