成人病の予防には、食事と並んで運動が大切です。
運動をすることで、心臓や肺の機能を高めて、筋力の衰えを防止します。
運動は皮下脂肪だけでなく、心臓の周りに脂肪がつくことを防ぎ、身体を動かすことで、
血流量が増えると、一時的に血管を膨らませて、余分なコレステロールを排斥します。
また、血管を柔軟にして、動脈硬化の予防にもなり、全身の器官の代謝が促進されて、
ホルモンのバランスも良くなります。
運動をしないと血管が細くなり、高血圧や動脈硬化を招きやすくなります。
人間は成人になるにつれ、仕事が忙しくなったり、車に乗って移動することが多くなります。
歩くことも含めて、運動から遠ざかることで、体力が衰えて、同時に病気に対する抵抗力も落ちてくるのです。
「週1回はゴルフをしている」とかでは、あまり効果はありません。
長時間でなくても、毎日でも運動することが大切です。
ジョギングや体操、あるいは、単純に歩くという手軽なもので十分なのです。
生活のなかで、運動を取り入れる工夫をしましょう。
例えば、ビルに行ったら、エレベーターを乗らずに階段でいく、通勤なら、1つ前の駅で降りて歩くとか、本当に簡単なもので良いのです。
運動を始めようと思うなら、まず健康状態をチェックしましょう。
肥満や高血圧な人は、急な運動が身体に害を及ぼすことがあるのです。
成人病を進行させるのも、予防するのも、日常の生活習慣が重要な要素となります。
食事と運動は、大切な2つのポイントで大きな影響を及ぼしますが、
それ以外でも日常生活と密接なストレスやお酒のコントロールも、
健康維持や成人病の予防に欠かせない要素です。
昔はストレス発散のために、大酒を飲む人がいました。
しかし、それは成人病という極めて危険なことだということがわかってきました。
ストレス解消は、運動や趣味で行い、お酒は適量が良いのです。
現代ではストレスは増加傾向でしょうが、蓄積させないことが大切です。
ストレスは、血圧を上昇させ、心臓病や脳卒中あるいは消化性潰瘍という病気をおこす原因となります。特に気が短い人は、イライラしやすく、性格的にストレスをためやすいので、意識して、ストレス発散を心掛ける必要があります。
また、お酒は、適量を飲むと血行を良くします。
ビールなら1本程度、日本酒なら1合、ウィスキーなら水割り2杯程度が、適量と言われていますが、弱い人もいますから、自分の体質も併せて考えましょう。
アルコールを飲みすぎると、血液中のコレステロールや中性脂肪が増えて、動脈硬化を促進してしまいます。また、日常的に飲み続けると、アルコール性脂肪肝や慢性膵炎、肝硬変などになりやすくなるので、週2日位は休肝日をとるようにします。