糖尿病予防に食生活と日常生活で改善する成人病予防

糖尿病の予防法

糖尿病は代謝異常で、様々な合併症を引き起こし、生命の危険さえ招きかねない病気です。糖尿病の原因は、インスリンの不足や、ホルモンの作用不全です。五大栄養素がバランスよくとれる食事をすることを注意しなければなりません。

糖尿病が原因で発症する合併症が怖い

糖尿病が原因で発症する合併症が怖い

 

糖尿病は代謝異常の一つで、放っておけば様々な合併症を引き起こし、生命の危険さえ招きかねない病気で、糖尿病の原因は、インスリンの不足や、ホルモンの作用不全です。

 

インスリンのホルモンの作用

食物は人体の身体の中で糖質に変わりますが、そのほとんどはブドウ糖(血糖)です。この血糖が血液で全身に運ばれて、エネルギーとなって、人間の生命を維持し、活動させたりします。

 

この血糖がエネルギーとして使われるためには、すい臓にあるランゲルハンス島から分泌されるインスリンというホルモンの作用が不可欠なのです。

 

インスリンの分泌量が少なかったり、インスリンの量は足りていても、ホルモンの作用が十分でない場合が糖尿病です。

 

糖尿病の怖い合併症

糖尿病になると、インスリン不足で血糖がエネルギーとして使われず、血液中に残ってしまうのが高血糖の状態ですが、こうなると過剰な糖が、尿から排出されるようになります。

 

糖尿病の軽いうちは、自覚症状がありませんが、重くなってくると、喉が渇いたり、痩せてくるといった症状が出てきます。さらに進行すると、糖尿病性昏睡と呼ばれる昏睡状態に陥ることもあり、そこまででなくても、合併症を引き起こすのが怖いのです。

 

糖尿病によって、細い血管へ悪い影響を与えると、眼の血管が侵されれば失明の恐れがあり、腎臓に影響すれば尿として排泄されるべきものが、体内に蓄積される尿毒症になります。特に、中途失明の原因の一番が糖尿病によるもので、人工透析では第2位となります。

 

また、太い血管へ影響を与えると、動脈硬化や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞の原因となり、特に心筋梗塞は、糖尿病患者で発症する確率が、糖尿病でない人に比べて、2倍の発症率です。

 

インスリン依存型と非依存型

一つ目は、インスリンがほとんど分泌されず、毎日注射で補給しなければならないインスリン依存型で、もう一つはインスリンの分泌が少なかったり、作用が不十分だったりする非依存型です。

 

依存型のものは、糖尿病全体の1%未満といわれ、子供と若者に多い病気で、一方、非以前型は糖尿病の95%以上を占めると言われており、40歳以上の人に多い病気です。

 

依存型が突然発病することが多いのに対して、非以前型は症状がゆっくり進行しますが、糖尿病患者の80%は肥満しているか、肥満履歴がある人です。

 

インスリン依存型の方は、ウィルス感染が原因だと考えられていますが、非依存型は異伝体質に加えて、肥満やバランスの悪い食事、運動不足、あるいは精神的過労などという誘因が重なって起こります。中年から発症するほかの成人病と共通して、長い間の生活習慣が原因となっています。

 

糖尿病の予防と治療が密接な関係がある

糖尿病は一度なると完治は無理ですが、コントロールさえしっかりできれば問題ありません。
治療は病状へのマイナス因子を取り除くことで、インスリン不足による代謝異常を治し、合併症の発生や進行を防いで、通常の人と近い生活ができます。

 

他の成人病と比べると、糖尿病は予防と治療が密接な関係があります。
予防の一番は食事療法で、次に運動療法や薬物療法です。

 

糖尿病を予防する食事療法

糖尿病の食事療法は、その人の体質に合わせて行われます。
食事の総カロリーは標準体重を維持する程度にし、肥満な人はカロリーを減らして標準体重にします。

 

そして、気を付けるのは、五大栄養素がバランスよくとれる食事をすることです。

 

五大栄養素

五大栄養素とは、たんぱく質、脂肪、糖質、ミネラル、ビタミンの5つです。

 

しかし、糖尿病によい食事と悪い食事と区別することなく、エネルギー過剰にならなければよく、個々の食品のカロリーよりも、総カロリーに気を付け、特に糖質や脂質が過剰にならないようにするのが大事です。

 

糖質

糖質の代表的なものは穀物ですが、穀物でも雑穀や未精白のもので、芋類やカボチャ、豆類入りごはんを主食にします。バナナのような糖質の多いものは主食とみなします。

糖質

熱やエネルギーになる

米パン麺類芋類砂糖菓子

【米】【パン】【麺類】【芋類】【砂糖】【菓子】

 

タンパク質

新鮮な魚介類と植物性たんぱく(大豆、豆腐、納豆など)を多く摂ります。
乳製品は低脂肪牛乳やスキムミルク、プレーンヨーグルト、豆乳などをとります。

たんぱく質

熱やエネルギーになり、身体組織を作る

牛ひれ肉・鶏ささみ・魚介類・卵・牛乳・大豆製品

【牛ひれ肉・鶏ささみ・魚介類・卵・牛乳・大豆製品】

 

脂質

油脂類は動脈硬化を進行させないように植物油を多く摂るようにします。
べに花油、ごま油、コーン油、大豆油などの新鮮なものを選びます。

脂質

熱やエネルギーの元となり細胞膜や胆汁酸、ホルモンなどを作る

バター・チーズ・大豆油・ごま油・ラード牛乳卵牛肉・豚肉うなぎ

【バター・チーズ・大豆油・ごま油】【牛乳】【卵】【肉類】【うなぎ】

 

ビタミン

小魚など魚類やレバー、卵黄、牛乳の他に、大豆、野菜、海藻などに多く含まれます。
野菜、きのこ、海藻類は種類を多くとり、またたくさん摂りましょう。
芋類以外の野菜や海藻は、カロリーが低いので、1日400〜500グラムほど摂りましょう。

ビタミン

ビタミン

 

ミネラル

ミネラルとはカルシウム、鉄、リン、ヨウ素、銅、マグネシウムなど、人間の生理作用に不可欠な鉱物性栄養素の総称です。

カルシウム

骨や歯の主成分となり、神経系の鎮静作用や筋肉収縮機能維持になる

小魚・チーズ・海藻類・緑黄色野菜牛乳

【小魚・チーズ・海藻類・緑黄色野菜】【牛乳】

鉄分

骨の形成や血液の生成をする

葉菜類・レバー・海藻類・魚介類

【葉菜類・レバー・海藻類・魚介類】

リン

骨や歯を作り糖質代謝を補助する

小魚穀物肉類牛乳卵

【小魚】【穀物】【肉類】【牛乳】【卵】

マグネシウム

骨を形成する成分

玄米そばナッツジャガイモ

【玄米】【そば】【ナッツ】【ジャガイモ】

 

このように、栄養バランスの良い食事をすると同時に、カロリーの高くなる味付けや、調味料を使いすぎないよう工夫する必要があります。

 

アルコールも合併症がなければ構いませんが、1日のエネルギーの摂取量の範囲内にとどめ、カロリーをオーバーしないように注意します。

 

次に運動療法

肥満を解消するには、運動が必要ですが、糖尿病の人が毎日一定の運動をすれば、
血糖の状態が改善されます。

 

運動は食前よりも食後のほうが良い

運動は食前よりも食後のほうが良い

ジョギング、散歩、体操などといった全身運動になるものなら、何でも構わないのです。生活に応じて毎日続けられるものを選びます。

 

運動は、食前よりも食後のほうが良く、摂取した食物を能率よく代謝させることができます。ただし、あまり激しい運動は避けたほうが良いです。

 

血糖が上昇して糖尿病が悪化してしまうことがあります。運動後の脈拍が1分間に150以上にならないようにします。


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