皮膚科
掌蹠膿疱症の明確な原因はわかっていませんが、虫歯や中耳炎、扁桃腺などの感染や、
金属アレルギーが原因なこともある症例が全体の1割ほどあります。
手のひらや足の裏が赤くなって小さな膿疱に変化して、その後、皮膚が硬くなって剥がれてきます。この膿疱は頭や、手足の関節にもできることがありますし、関節炎を合併することもあります。
完全には治りにくい病気なので根気よく治療を続けます。
さらに、永い間、副腎皮質ホルモンの外用薬を塗る薬物療法や紫外線照射法を行います。
脂漏性皮膚炎になると、脂質代謝障害や真菌感染があるために、皮膚の分泌機能に異常がみられ、顔や頭、わきの下、皮脂腺が発達している脂漏部位のあたりの皮膚が、赤くなって皮がむけてしまいます。
乳児の場合は、頭や眉毛や耳介などに紅斑(黄色いカサブタ)ができます。
成人ならフケ症になることが多く、額や耳介、鼻の皮膚が全体に赤くなって皮がむけます。
副腎皮質ホルモン剤を使用し、ビタミンB2・B6も効果があります。
酒さ様皮膚炎の原因は副腎皮質ホルモン剤を長期間にわたって使用することの副作用です。
顔の皮膚全体が赤くなり、腫れて痛くなり、口の周囲には小さくて赤い発疹がでます。
原因となる薬剤を中止しますが、急にやめると副作用で赤ら顔になり、口の周囲の発疹が再発する可能性もあります。そのような症状になった場合には、それまでより弱い副腎皮質ホルモン剤や消炎剤を使用して、根気強く治療する必要があります。
天疱瘡というのは、自分の皮膚の成分に対しアレルギーをおこし、水疱ができるもので、とても治りにくい病気です。天疱瘡の症状の違いによって、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡など病型があります。
高齢者に発症するものは、類天疱瘡といい、全身にかたくて破れにくい水疱が出来る場合もあります。
尋常性天疱瘡は口内炎のように、口の中の粘膜や歯肉に水疱ができ、
柔らかく破れやすいのが特徴で、破れるとただれてしまいます。
わきの下などが、ただれた場合には悪臭を発する分泌液がでます。
落葉状天疱瘡の水疱は、胴体の皮膚に発生して、すぐに破れてから乾燥して、
皮膚がポロポロと剥がれおちます。放置しておくと、生命にかかわる病気です。
皮膚の検査が必要で診断で病名をはっきりさせてから、副腎皮質ホルモン内服などをします。全身が衰弱しているときは入院して点滴も必要になります。
魚鱗癬は遺伝的な角質細胞の異常です。
四肢にカサブタが多くできて魚のウロコのようになります。
遺伝性の病気で、完治することはできませんが、治療すると、ほとんど目立たなくすることができます。肌をしっとりさせる薬剤や、角質を柔らかくする軟膏を使用します。
乾癬は感染症の影響や免疫異常などが関係していると推測されていますが、
いまだはっきりした原因はわかっていません。
皮膚から盛り上がった鮮紅色の班ができますが、その上に白いフケのようなものが現れますが、症状によって、いくつかの病型に分けられます。
慢性化すると、カサブタを周囲にまき散らすので、社会生活をする上で、苦痛を多く伴う疾患です。
完治は困難なので、社会生活に支障がないように症状を抑えます。
副腎皮質ホルモン剤を塗ったり、免疫抑制剤・レチノイド、ビタミンDを服用し、
紫外線を照射する治療を行うとともに日光浴をするのも効果があります。