皮膚科
頭部白癬は、カビの一種である皮膚糸状菌が頭髪や頭皮についておきる疾患です。
発症は10歳以下の男児に最も多く、タオルなど、皮膚に直接に触れるもので他人に感染します。
頭髪の部分に円形の紅斑が、ひとつ又は複数、現れる場合があります。
円形の紅斑の部分からは皮膚がフケとなって剥がれ落ち痒みがあり、
感染した部分から脱毛することがあります。
抗真菌薬であるグリセオフルビンを内服すれば数か月ほどで完治します。
体部白癬は、顔や首、手足だけでなく、胴体に真菌(カビ)の皮膚糸状菌が感染しておきる皮膚病で、年齢や性別に関係なく幅広く感染します。
最近では、ペットのもつ菌による子供への感染も増えており、湿疹の薬を外用しているとできやすくなります。
最初は小さな赤い発疹が次々と広がり、周囲はドーナツのように盛り上がり、水疱ができ、強い痒みを伴います。
皮膚を清潔にして乾燥させて、抗白癬菌軟膏を塗ります。
股部白癬は、皮膚糸状菌が股間に感染することでおきる皮膚病で、成年男子に多い疾患です。
太ももの付け根に小さな赤い発疹ができ、だんだん大きくなって激しい痒みがあり、
下腹部や臀部へ広がることもあります。
抗白癬剤軟膏を塗れば一か月もしないうちに完治します。
足白癬は、皮膚糸状菌が足へ感染しておきる皮膚病で、足が蒸れやすい人によくおきる病気です。床マットやスリッパなどを媒介して、家庭内で子供に感染する場合もあります。
それぞれの型で症状も分かれます。
趾間型と小水疱型の場合は、抗白癬剤軟膏を毎日塗れば数か月で完治します。
角化型はとても治りにくく、抗白癬剤軟膏を塗り、抗真菌剤のグリセオフルビンの内服を併用します。
皮膚結核は、結核菌によっておきる皮膚の疾患です。
患部に結核菌が認められる真性皮膚結核と認められない結核疹の2つのタイプがあります。
真性皮膚結核には、尋常性狼瘡、皮膚ゆう状結核、皮膚腺病などがあり、
それぞれの病名によって、症状も違います。
顔面に、ニキビのような発疹ができ、下肢に紅斑ができます。
抗結核薬療法を行います。