皮膚科・形成外科
母斑とは、皮膚の一部に現れた色や形の異常で、いわゆるアザです。
生まれつきアザがある場合もありますが、成長する段階で発生するアザもあります。
色素細胞が増殖したもので良性のものですが、生まれつき巨大な黒アザがある場合は皮膚がんを生じる場合があります。
色素性母斑の中でも幼児の頃から現れ始めて、大きさが直径1cm以下のものは、ほくろと呼ばれており、年齢と共に増加します。皮膚がんとの区別は大変困難なので、医師の診察を受けるべきで、ただのほくろの場合には、本人の希望があれば、外科的療法を行うこともあります。
生まれつきや成長段階で、色々な形をした茶褐色の色素班ですが、アザが盛り上がることはありません。レーザーを使う方法が効果があります。
黄色人種のお尻に発生し、色素を作る細胞があるためです。
ときには、お尻以外にも発生する場合がありますが、7歳ころまでに消失します。
顔や手足の甲、臀部(お尻)などに、直径1cm〜数cmの青色の腫瘍で、
真皮内に色素細胞が集まることで現れます。
大きさが5cmを超えるものは医師の診断を受ける必要があります。
色素性母斑である黒アザは、皮膚麺より隆起した褐色が黒色の色素班で、表面が滑らかなアザ、いぼ状のもの、毛の生えているアザ、獣皮様のものなど、その形や大きさはさまざまで、特にどこの部位によく発生するということはなく、どこにでも発生します。
色素性母斑の大部分は心配のいらないものですが、まれに悪性黒色腫という「ほくろの癌」に変化するアザもあるので、経過は注視して観察する必要があります。特に足の裏の黒アザは、悪性化しやすいと言われており、ほくろを傷つけたり、いじったりした場合も悪性化することがあります。
色や形、大きさが変化したときは、早めに診察を受けましょう。
腫瘤になったり、出血したり、潰瘍が起きた場合には、ただちに手術して提出する必要があります。
血管腫は血管の増殖で先天的なもので、自然に消えるものと、自然には消えないものがあります。
血管腫には多くの種類があります。
生後1週間ほどで、いちごのように赤く盛り上がったアザが現れるものです。
そのままにしても、小学校に行くまでには、ほとんどが治りますが、
ただれたり、出血がある場合には、薬物療法や外科的療法を行います。
生まれつき、身体の各所に、はっきりした赤色あるいは茶褐色の平らなアザが現れるものですが、自然には消えません。成人してから、レーザーを照射したり外科療法をします。
生まれつきのアザで、額の中央や、まぶたの裏側に発生するものがサーモンパッチで、うなじに現れるものをウンナ母斑と言います。
サーモンパッチの場合は、2〜3歳で消えてしまうので、治療の必要はありませんが、
ウンナ母斑は消える場合と、成人になるまで消えない場合があり、消したい場合には、形成手術をします。
皮膚の深いところに海綿状の血管腫が存在することで、赤いアザが現れるもので、生まれつきのものですが、自然には消えないので、切除手術が必要です。
紫斑は、血液か血管の異常による出血で、原因を突き止めるためには皮膚の組織検査が必要です。
皮膚に広範囲にわたって赤紫色になります。
通常は2週間ほどで治りますが、重大な病気が原因の場合は、その病気の治療をします。
腹痛を伴う場合は、虫垂炎と間違えやすいので、皮膚の症状をよく診てもらうことが必要です。
肝斑といわれるシミの原因は、はっきりわかっていませんが、妊娠や月経不順などのホルモン異常が関わっていると考えられています。
顔面や額、目の周囲などに左右対称で、様々な形をした褐色の色素沈着が現れますが、痒みはありません。
完治させることは難しいですが、ある程度は軽減させることができます。
ビタミンC・Eなどのビタミン剤やグルタチオン製剤を服用したり、日常では直射日光を浴びないように気を付けます。