整形外科
手首には三方を骨に囲まれた手根管というくぼみがありますが、このくぼみの中を屈筋腱と正中神経が通っています。
これが何らかの原因によって管内の圧力が高まり、手根管症候群になり、正中神経の圧迫症状、痛みやしびれがおきてきます。
腫瘍、ガングリオン、腱鞘炎などが圧迫症状がおきる原因と考えられています。
中年の女性が多い病気で、症状は手や指のしびれ、こわばり、脱力感、痛みが主ですが、手関節を曲げることによって痛みは強くなります。
手首を固定したり、消炎鎮痛剤を使用して治療しますが、症状が良くならない場合は、管内に副腎皮質ホルモンを注入します。それでも効果がない場合は、屈筋支帯を切除する手術をします。
足のくるぶしの後は神経や血管が通っていますが、ガングリオンや腱鞘炎や癒着などによって、神経が圧迫されて障害が起きる病気が足根管症候群です。
足の内側の痛みや足の裏の異常な感覚になり、歩行で体重がかかると痛みが強くなる傾向です。
湿布や鎮痛剤を使用し、炎症には副腎皮質ホルモンを腱鞘内に注射します。
理学療法も行いますが、効果がないようなら、圧迫を解消する手術もします。
筋肉と骨を繋いで関節を曲げる助けをする腱は、腱鞘という組織で覆われています。
この腱鞘があるために、手足は滑らかに動くようになっているのですが、その腱と腱鞘の両方に炎症が起きるのが腱鞘炎です。
手指、手首、足首によく発症しますが、全身の腱、腱鞘におきる可能性はあります。
炎症の原因は関節の使い過ぎや、手指の外傷、リウマチなどです。
腱と腱鞘が腫れて痛み、関節の運動が妨げられます。
炎症が起きている箇所を固定して、消炎鎮痛剤、温熱療法をしたりしますし、
副腎皮質ホルモン剤も使用するときもありますが、治療の結果が芳しくない場合は、手術をする場合もあります。
ガングリオンは、皮下の関節包に腱鞘などに隣接して、袋のような腫瘍ができるものです。
腫瘍は良性で中にはゼリー状のねばりのある液体が詰まっており、親指くらいの大きさで、手首や手足、足首などに出来て、特に若い女性に出来ます。
気になるほどの症状はでませんが、発生する場所によっては痛みがあります。
痛みがない場合は放置してもかまいませんが、痛みがあるときは、針を刺して内容物を吸引したりします。