内科・呼吸器内科・循環器科・外科
肺高血圧症は肺動脈内の血圧が高くなる病気ですが、原因不明のものと、心臓や肺の病気が原因となるものがあります。また、発病すると5年以内に死亡するケースもあります。
運動した際に、呼吸困難や疲れなどの症状があり、病気が進行すると、咳やめまい、喀血、チアノーゼなどの症状もみられます。
安定期では、抗凝固剤や肺血管を拡張する薬剤が使われ、心不全の状態になった場合には酸素吸入、利尿剤などによる対症療法を行います。
肺の還流に障害がおきると「肺うっ血」になり、肺の毛細血管圧が上昇して、血管から液体成分が漏れ出すと、肺水腫の原因となります。
肺うっ血の原因は、心臓弁膜症や高血圧による心臓病、狭心症などといった心臓の病気です。
初期には血圧上昇や脈拍数増加、胸部圧迫感、不安感などといった他の病気の症状ですが、やがて息切れがするようになり、夜間には呼吸困難がおきます。同時に尿が少なくなり手足がむくんだり、チアノーゼが現れ、意識障害もおこります。
心臓病など原因がわかっていれば、それを治療することが先決で、同時に痰を取り除いたり、酸素吸入を行って、呼吸改善を図ります。病状によっては、利尿剤や強心剤も用いられ、感染防止に抗生物質を使用することもあります。
気胸は肺を包む胸膜に穴があいて胸腔内に空気が溜まり、痛みや呼吸困難が起こる病気で、安静にしていたり、就寝中にも発病し、どのようなときというパターンがありません。
自然気胸は原因が外部からとは限らない気胸で、やせ型の若い人によく見られますが、中高年で肺疾患を持った人にも発病します。ほとんどは、ブラと言われる気腫性膿疱が破裂して、肺側胸膜に穴が開くことから発病します。
外傷性気胸は、怪我で折れた肋骨が胸膜に刺さって穴が開いたり、気管内挿管などの検査や治療の際に胸膜に穴があくなど、外部からの原因になります。
自覚症状がない場合もありますが、発病すると、突然、刺すような胸痛や息切れ、息苦しさの呼吸困難がおきます。痰の出ない咳や動悸がある場合もあります。
病状が進行すると、呼吸困難がひどくなり、チアノーゼや冷や汗などのショック状態に陥ることもあります。
気胸の程度が小さい場合は、身体を動かさず、安静にしていることによって穴が塞がることがあります。
気胸の程度が大きい場合には、胸腔に針を刺して、胸腔内の空気を抜いたり、胸腔内にチューブを留置して持続的に吸引します。この方法で穴が塞がることもありますが、再発を防ぐためには病変部を切除する手術をします。
胸膜炎は、胸膜に炎症がおきる病気ですが、単独で発症することはあまりなく、ほとんどが肺疾患などの合併症として発病します。以前は結核性の原因でしたが、最近では癌性のものが目立っています。
痛みがない場合もありますが、ほとんどは胸痛を感じます。
胸水が増えると胸膜腔が膨らんで心臓や肺を圧迫して、咳や痰、呼吸困難、激しい動悸などの症状が現れ、発熱、悪寒、全身倦怠感といった症状も出てきます。
呼吸困難があるときは、安静にして症状をやわらげ、元になっている病気の治療を優先します。胸水の量が多い場合には、針を刺して胸水を除去します。
胸膜腔の中にある胸水は、通常は透明に近いものですが、膿胸になると、胸腔に溜まった膿で、胸水が濁った状態になります。
膿胸は胸膜炎のときも起きますが、最も多いのは結核にかかっているときにおきる結核性膿胸で、結核性胸膜炎が長引いたときに起きやすい病気です。
胸痛、咳、胸部圧迫感、発熱などが主な症状で、胸膜炎などで胸水そのものが多くなっている場合は、呼吸困難や激しい動機もおきます。
感染の原因となっている細菌などの種類がわかれば抗生物質を投与します。
外科的に胸水を吸引する場合もあります。