肺炎・肺化膿症

ウィルス性肺炎は呼吸系ウィルスによっておこります。
ウィルス性肺炎と細菌性肺炎を比べてみると、症状はだいぶ軽いものですが、
ウィルスによって弱っている患部は、細菌感染をおこしやすくなっています。

感染したウィルスの種類によって違います。

外部から肺の中へウィルスが侵入しておきる外因性か、初めから体内に持っているウィルスが肺の中で増殖する内因性か、それか、症状によっても違っています。
ウィルスそのものに対する治療法はなく、そのために対症療法が中心となります。

肺炎マイコプラズマという、細菌によく似た微生物病原体の感染によって発病します。
本人の咳と共に空気中に飛び散って感染していきます。

熱と共に、夜になると眠れないほどの咳が長時間続きますが、痰はそれほど出ません。
発熱も一定ではなく、40度近い出ることもあれば、微熱程度、あるいは熱が出ないこともあります。また、咽頭炎や気管支炎を併発することもあります。

テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質を投与が有効です。

クラミジアは細菌とウィルスの中間といえる微生物発原菌です。
クラミジアには2つの種類があって、それぞれからおこる肺炎として、オウム病とクラミジア・トラコマチス肺炎とがあります。

オウム病

オウムなど、飼っている酉の病気の原因となる鳥型クラミジアが人に感染しておこる肺炎です。

クラミジア・トラコマチス肺炎

結膜炎の一種であるトラコーマの原因となるクラミジア・トラコマチスの感染によっておこる肺炎です。

咳、痰、呼吸困難など、細菌性肺炎に似た症状が現れます。

テトラサイクリン系の抗生物質の投与が有効です。

細菌が感染しておこった肺炎の総称で、肺炎の多くは、この細菌性肺炎です。
肺炎球菌によるものが最も多く、インフルエンザ菌や黄色ブドウ球菌などによるものもあります。

咳、膿性の痰、発熱などがみられます。
高熱や強度の呼吸困難、あるいはゼーゼーといった強い喘鳴、唇が紫色になるチアノーゼや、
意識混濁などの症状が一つでも現れたら、かなり危険な状態なので、医師の診察が必要です。

抗生物質のほか、炎症を抑えるための抗炎症剤を使用します。
重症になると、脱水を伴うこともあるので、輸液が必要になる場合もあります。

飲食物などが誤って気管や気管支に入った場合や、胃液が逆流して気管や気管支に入った場合におこる肺炎です。誤って、気管や気管支に入った飲食物と共に口腔内の細菌も入り込み、本来無菌であるべき気道が炎症をおこして、それが肺に広がり肺炎になります。

高齢者にとっては老人性肺炎の重大な原因の一つになります。

膿性の黄色い痰の量が増え、その痰が悪臭を放ち、吐く息も悪臭を伴います。

抗生物質を投与が有効です。

多くは気管支を通して細菌が感染するものです。
喉や麻酔や脳卒中、睡眠薬中毒などで、意識不明の状態になっているときに、
吐いたものや口の中に残っていたものが、誤って気管に入り、それがもとで肺に細菌が感染しておこります。

悪寒・発熱・全身倦怠感・頭痛などのほか、咳・痰・胸痛など呼吸器特有の症状がでます。

強力な抗生物質で治療することが中心となるため、入院が必要になります。

肺がんや気管支拡張症などの肺の病気からおきます。

悪寒・発熱・全身倦怠感・頭痛などのほか、咳・痰・胸痛など呼吸器特有の症状がでます。

原因となる肺疾患の治療とともに、原発性肺化膿症と同じく、
強力な抗生物質で治療することが中心となります。