神経内科・小児科
ジストニーは、意思に関係なく筋肉が捻じ曲がるように動きます。
変性筋ジストニーと痙性斜頸にわかれ、原因と症状が違ってきます。
変性筋ジストニーの場合は、大脳基底核や視床神経が変形して発症するもので遺伝が関係するとされ5歳くらいから発病します。痙性斜頸の原因は不明ですが、心因によって中年以降に発症することが多くなっています。
不随意運動がおきる場所としては、変性筋ジストニーでは身体や手足が中心で、ねじれたままになっていることがあります。
一方、痙性斜頸の症状は、首におきて首を横に回したままの姿勢が続きます。
首の動きを抑えようとして、首やあごに手を当てるなどの動作がみられます。
変性筋ジストニーと痙性斜頸のどちらも有効な治療法はありませんが、
痙性斜頸にはてんかんの治療薬が有効な場合があります。
シャイ・ドレーガー症候群は、脊髄の自律神経中枢の一部や脳幹、
小脳などの神経細胞の変性でおきます。主に中年以降に発症します。
初期には、立ちくらみや失神がおき、自律神経失調の症状としては、性機能障害や失禁、発汗の減少、いびきがあるのも特徴的です。その他にも運動失調、筋硬直、手の震えなどもあります。
立ちくらみには昇圧剤やノルエピネフリンの前駆物質であるドプスが用いられ、
足を弾性包帯で何重にも巻くのも効果的です。
脳性麻痺は、分娩時に何らかの原因で脳に障害がおきることで、運動機能に打撃を受けたものです。障害の原因としては、未熟児、新生児黄疸あるいは、妊娠中毒症、怪我、酸素欠乏など様々で、2歳までに発症します。
麻痺は片方の手足や両足、または手足のすべてに出ることがあり、
筋肉が突っ張ったり不随運動をしたりするようになります。
脳障害が原因であることから、知能の遅れや言語障害、てんかん、目、
耳などの感覚系の障害もおき、行動や性格の異常をともないます。
運動機能を訓練し、痙攣には薬剤を使います。筋肉や関節の手術をすることもあります。
多発性硬化症は、脳やせき髄など中枢神経に脱髄変化が生じて、運動障害や知覚障害がおきるものです。ウィルス、アレルギーあるいは免疫反応異常が原因とされていますが、原因は不明です。
多発性と呼ばれるほど、様々な神経症状が現れて、初期には視力障碍、運動麻痺、知覚障害が出てきます。したいに腕の震えや言語障害、手足の麻痺、失禁がありますし、末期には認知症がでます。
治療が難しい病気で、入院でステロイド剤などを投与します。
快方に向かっても、風邪などで再発しますから注意が必要です。