神経内科・脳神経外科
脊髄小脳変性症は、脊髄、脳幹、小脳に変性がおきるもので、手足の筋肉は衰えることはありませんが、原因はわかっていません。
手足の動きがぎこちない運動失調が症状の中心で、障害がおきる部位と症状によって、
フリードライヒ失調症やメンツェル失調症、ホルムス型失調症などにわかれます。
共通する症状としては、歩行が不安定になったり、眼球の動きに障害が出たり、手仕事が難しくなったり、言語障害もおきます。病気は数十年かけて進行しますが生命にかかわることはありません。
有効な薬はないので、症状に応じた薬剤を使用して、運動障害にはリハビリテーションをします。
脊髄空洞症は、脊髄の中心部に空洞がおきて、
中にある神経が切断されて様々な神経症状が出るものです。
胎児の先天奇形が原因で発生しますが、脊髄空洞症は先天的奇形なのか、アーノルド・キアリ奇形の合併症なのか、はっきりわかってはいません。また、脊髄の炎症や怪我、腫瘍などによって後天的に発生することもあります。
触覚は正常ですが、温度や痛みに対する感覚がとだえる知覚障害がおきます。
運動神経障害もおきてきて、胸や手の筋力が低下して、さらに筋肉も萎縮して、痩せてきます。空洞が延髄に発生すれば、舌の萎縮や顔の知覚麻痺、言語障害、嚥下困難がおきます。
す。
この病気そのものに効く治療法はありませんが、手術方法を選択することにより、
改善が期待できる症例がありません。
脊髄性進行性筋萎縮症は、脊髄から出ている筋肉を収縮させる神経に障害がおきるものです。
進行は遅く、生命にかかわることはありません。
両腕の筋肉が萎縮して筋力が低下して荷物を持てなくなります。
やがて、肩や下肢にも及んできて、萎縮がひどい場合は、腕や肩の骨が浮かび上がって見えます。
決め手となる治療法はありませんが、神経に活力を与える薬剤を用いたりして、病気の進行を遅らせます。
脊髄血管腫は、脊髄の循環不全や出血により症状が現れ、若年層に多い病気です。
段階的に進行していきますが、出血した場合には急に発症します。
まず、背中や腰の痛みがあり、それから、筋力低下や麻痺、括約筋障害、知覚障害が現れ、末期には脊髄の障害部位により下の全感覚に障害がでます。
カテーテルを用いて、動脈内にコイルを留置するカテーテル治療が行われますが、手術による治療も有効です。
亜急性連合性脊髄変性症は、ビタミンB12の欠乏によって巨赤芽球性貧血がおきると発症する神経障害で、脊髄のそばを走る側索と後索が障害を受けます。
位置感覚や触覚などが失われて歩行に障害がでます。
ビタミンB12を注射で投与して治療をしますが、治療が遅れると治りにくくなります。