神経内科・小児科
進行性ジストロフィーは、筋肉に異常があって筋肉細胞が壊れてしまいます。
原因は遺伝子の異常とされており、発症年齢や症状、異伝形式の違いがありますが、最も多く発病するのがデュシェンヌ型といわれます。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、2〜3歳の男児だけに発病し、成人になると呼吸不全や感染症の合併などで死亡します。
筋肉が萎縮して筋力が低下します。
重症であるデュシェンヌ型の場合は、腕や太もも、背筋、腹痛、心筋などに障害がおきます。
最初は、「転びやすい」「階段の上り下りが上手くできない」とかですが、次第に筋肉が萎縮して歩行できなくなり、10歳くらいで車いすの生活になり、さらに骨の変形がひどくなり、肩や足の関節が曲がって寝たきりになります。
完全には治りませんが、歩行などの筋肉を使うリハビリテーションをします。
筋緊張性ジストロフィーは、染色体に異常をもつ遺伝性の病気です。
先天性のもの以外は、中年以降に発症しますが、筋肉がずっと緊張するもので、進行は緩やかです。最初は、症状は手や顔、舌の筋肉が硬直し、手を握っても開かなかったり、食べ物を噛めなくなったりします。
次第に、手足の筋肉が脱力して萎縮をおこし歩行にも障害がおきてきますし、
筋肉以外に臓器にも障害がおきてきて、便秘、若はげ、白内障、知能低下、不整脈、糖尿病、性機能障害など様々な合併症がおきてきますが、生命にかかわることはありません。
根本的な治療法はありませんが、抗てんかん剤や筋弛緩剤など薬物療法をします。
多発性筋炎は、筋肉を構成している筋線維の変性で炎症がおきます。
原因は不明ですが、感染や膠原病、悪性腫瘍、免疫異常が原因と考えられています。
多発性筋炎は、急性と慢性に分かれますが、まず、筋力低下や脱力感がおき、腕を上げたり、立ったりしゃがんだりが難しくなり、そのうち、首や肩、腕、腰、太ももなどの筋肉に力が入らなくなります。
根本的な治療法はありませんが、副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤を使用し、筋力低下にはリハビリテーションをします。
重症筋力症は、神経から筋への刺激を受け持つ伝達物質が、
免疫異常によって神経と筋肉の接合部分で阻害されるものです。
眼を開けていられないほど、まぶたが下がって来たり、物が二重に見えたりします。
脱力感があり、特に手足の疲れがひどくなり、顎がだるくて、物が噛みにくくなり、重症となり呼吸困難になります。
治りにくいものですが、免疫異常に対するものが薬物療法が中心です。
ミオパチーは、筋肉自体に異常があって、筋肉そのものが変化してしまいます。
先天性ミオパチーは筋肉組織を構成する筋線維が構造上の細かい変化をおこすものをいい、遺伝性であり先天的でもあります。
出生直後、あるいは乳幼児に発病し、全身の筋肉が弱くなり、萎縮してしまいます。
決定的な治療法がないため、リハビリテーションが主な治療になります。
周期性四肢麻痺の原因は不明ですが、原因の一つとして、遺伝や血液中のカリウム濃度、甲状腺機能の亢進などが言われています。
夜間や起床時や運動時に、手足や胴体がだらんとする一時的な麻痺が繰り返しておきます。発作時には血中カリウムが低下していることが多いのですが、意識や感覚の障害はおきません。
薬物治療をしますが、低カリウム状態と高カリウム状態では治療も違ってきます。