ウィルス性脳炎・髄膜炎・遅配性ウィルス脳炎の怖さ|症状と治療法

脳炎・髄膜炎の症状

ウィルスが脳に達して炎症が起きれば脳炎となり、脊髄膜であればウィルス性髄膜炎になります。結核菌が髄膜に達して炎症をおこす結核性髄膜炎や、遅発性ウィルス脳炎はかなり日数が経過してから、発病する病気で寝たきりなどになる怖い病気です。

ウィルス性髄膜炎・ウィルス性脳炎

ウィルス性髄膜炎・ウィルス性脳炎

 

受診科

神経内科・内科

 

ウィルスが脳に達するには、血液に運ばれる場合と神経を伝わっていく場合の2つがあります。

 

原因

ウィルスが脳脊髄または脳に達して炎症をおこす病気です。
脳に達して炎症をが起きれば脳炎となります。

 

症状

発熱・頭痛・腹痛・下痢・嘔吐などに続いて、首の後ろが硬く張って、
前に曲げると痛くなります。

 

治療

単純ヘルペスなどのウィルスに対しては、抗ウィルス剤が投与されますが、
ほかのウィルスに関しては対症療法としての各種の薬が投与されます。
二次感染予防には抗生物質も投与します。

 

肺炎を合併しなければ、治ってからは心配がないですが、
脳炎を発症すると精神面での後遺症が残ります。

 

単純ヘルペス脳炎

単純ヘルペスには、口唇ヘルペスと性器ヘルペスの2つがあり、共に脳炎の原因となります。
重症化しやすいのは口唇ヘルペスです。

 

症状は発熱や頭痛、首の後ろが硬くなって前へ曲げると痛みがあり、
けいれんや意識障害、異常行動、臭覚異常、記憶障害などがあります。
重症になると、嚥下障害や呼吸障害が出て、昏睡状態になり死亡します。
治っても記憶障害が人格の変化などの後遺症が出る場合があります。

 

早期の抗ウィルス剤の使用により、劇的に死亡率が改善されました。

 

死亡率が高い遅発性ウィルス脳炎

 

ウィルスの感染でもおきる脳炎ですが、かなり日数が経過してから、発病するものです。

 

亜急性硬化性汎脳炎

はしかウィルスが感染したりした後に、数年から数十年経過してから起きる稀な脳炎です。
小児の発症率が高く、記憶力低下や異常行動がおきてから、痙攣するようになり、
しばらくすると、認知症状態から寝たきりになります。
2〜3年うちには死亡してしまうのですが、有効な治療法はないのです。

 

進行性多巣性白質脳症

癌・白血病・悪性リンパ腫などで免疫機能が低下している人の脳に
パポバウィルスが感染して発病します。
運動麻痺、視力障害、失語症などが、だんだん表れてきて重症になると、
昏睡状態になり、半年ほどで死亡します。
治療には抗ウィルス剤の投与をします。

 

クロイツフェルト・ヤコブ病

異常たんぱく質プリオン感染の可能性が高いといわれる珍しい脳炎です。
40歳代や50歳代に多い病気で、脳の皮質に障害が起きて、認知症や人格の変化、
錯乱、視力障害などになり、寝たきりになって、数年以内にはほとんど死亡します。

 

結核菌が髄膜に達して炎症をおこす結核性髄膜炎

原因

結核性髄膜炎は肺・リンパ節・骨・腎臓などの結核病巣から結核菌が髄膜に達して炎症をおこします。結核菌の初感染後1年経たないうちに起こることが多く、乳幼児や子供や若者が多く発症します。

 

結核性髄膜炎は死亡率が高く、治っても知能低下などの後遺症が残る場合があります。

 

症状

食欲不振や不機嫌・興奮などの症状が出てから、頭痛や発熱がおきて何度も嘔吐します。
首の後ろが硬くなって曲げると痛みがあります。
体重減少などがあり重症になると、意識障害がおきて、うわごとを言うようになります。

 

治療

入院して安静にして、抗結核剤やステロイド剤などの薬物を使用します。


スポンサーリンク