アルコール性肝障害・脂肪肝・肝硬変の治療に食事療法を考える

肝臓の病気の食事療法

アルコール性肝障害はアルコールを大量に長期間飲み続けることで肝臓に障害が起きるものです。脂肪肝は肝細胞の中に中性脂肪が大量に蓄積して腫れてしまい肝機能に障害が発生もので、線維化が肝臓全体に及ぶのが肝硬変です。

アルコール性肝障害の食事療法

アルコールを大量に長期間飲み続けることにより、肝臓に障害が起きるものです。
進行の程度によって、初期の脂肪肝からアルコール性肝炎、さらにアルコール性肝硬変に分けられます。

 

食事療法のポイント

バランスの良い食事で十分な栄養と適切なエネルギーを摂ります。
ただ、過食によって肥満にならないように注意します。

 

高たんぱく、高エネルギー、ビタミン摂取

特にビタミンB1やB2を摂ることが必要で、豚肉やイワシ、サバ、ハマグリ、牡蠣などで摂ります。

ビタミンB1

糖質の代謝を助け、食欲、神経を維持する

豚肉・豆類・ピーナッツうなぎキノコ

【豚肉・豆類・ピーナッツ】【うなぎ】【キノコ】

ビタミンB2

成長やホルモンの調整をし、たんぱく質や脂質、糖質の代謝に関与する

ウナギ・卵・レバー牛乳緑黄色野菜

【ウナギ・卵・レバー】【牛乳】【緑黄色野菜】

 

塩分を減らしてたんぱく質を多めに摂る

栄養バランスの良い食事が基本ですが、腹水やむくみがある場合は、塩分を減らして、たんぱく質を多めにとることが必要です。

たんぱく質

熱やエネルギーになり、身体組織を作る

牛ひれ肉・鶏ささみ・魚介類・卵・牛乳・大豆製品

【牛ひれ肉・鶏ささみ・魚介類・卵・牛乳・大豆製品】

 

脂肪肝の食事療法

脂肪肝は、肝細胞の中に中性脂肪が大量に蓄積して腫れてしまい、肝臓そのものが腫れ大きくなり、肝機能に障害が発生してしまうものです。

 

食事療法のポイント
摂取エネルギーを減らす

余分なエネルギーが脂肪となって、肝臓に溜まるので、エネルギーが過剰にならないように過食を避けます。

 

高たんぱく質を摂る

高蛋白質は肝臓の機能を再生させる機能があります。

たんぱく質

熱やエネルギーになり、身体組織を作る

牛ひれ肉・鶏ささみ・魚介類・卵・牛乳・大豆製品

【牛ひれ肉・鶏ささみ・魚介類・卵・牛乳・大豆製品】

 

甘いものは控える

動物性脂肪だけでなく、お菓子や果物に含まれる糖分も余れば脂肪となってたまるので控えます。

 

ビタミンBとCを補給する

肝臓の働きを助けるのがビタミンBで、解毒作用があるのがビタミンCです。
肉や野菜をバランスよく食べる必要があります。

ビタミンB1

糖質の代謝を助け、食欲、神経を維持する

豚肉・豆類・ピーナッツうなぎキノコ

【豚肉・豆類・ピーナッツ】【うなぎ】【キノコ】

ビタミンC

結合組織生成、アミノ酸の代謝を助け、病原菌の抵抗力をつける

柑橘類いも類緑黄色野菜

【柑橘類】【芋類】【緑黄色野菜・淡色野菜】

 

肝硬変の食事療法

そもそも肝細胞は再生力が強いので、肝炎などで壊れて死んでしまっても新しい細胞ができてきますが、慢性肝炎が長期になると、肝細胞は再生しても壊れた跡が線維化してきて硬くなります。

 

この線維化が肝臓全体に及ぶのが肝硬変です。

 

食事療法のポイント
栄養バランスの良い食事をする

高たんぱく、高エネルギーの食事をして肝臓の機能を高めます。
ただ、肥満はダメなので食べ過ぎないようにします。

 

塩分を減らす

肝硬変では腹水が溜まったりむくんだりしやすいので、利尿作用に障害がおきないように塩分を控えるようにします。

 

ビタミンを十分補給する

肝臓の再生力は高たんぱくによって支えられますが、高たんぱくの働きを助けるのが、ビタミンやミネラルです。肉や緑黄色野菜をしっかり摂ることが大切です。

カルシウム

骨や歯の主成分となり、神経系の鎮静作用や筋肉収縮機能維持になる

小魚・チーズ・海藻類・緑黄色野菜牛乳

【小魚・チーズ・海藻類・緑黄色野菜】【牛乳】

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