外科・内科
胃癌は、死亡者が多い癌で、中高年に発生することが多く、特に男性は女性の倍の数となります。
胃壁の構造は、胃の内部から粘膜、粘膜下組織で成り立っており、一番外側の漿膜まで層を重ねたようになっていて、胃がんが最初に発生するのも内側の粘膜からで、だんだん外側の組織へ向かって進行していきます。
胃癌には種類と進行の度合いによって様々なものがあり、ガンが粘膜や粘膜下組織だけにある場合が早期胃がんで、それより外側にまで及んでいるのが進行胃癌です。
胃癌の初期には、自覚症状がないことが多いのですが、進行していくと、腹痛、胸やけ、吐き気、嘔吐、もたれ、食欲不振などが現れますが、胃腸の病気によくある症状と特に変わりはありません。
さらに進行すると、腹部の腫瘍が手で抑えてもわかるほどになり、全身が衰弱して腹水が溜まるようになり、吐血や下血もおこります。さらに、血液やリンパ液で運ばれて、他の臓器に転移すれば、低蛋白血症や脱水症状が現れて、臓器に障害がおきます。
手術療法を中心に、化学療法や免疫療法を合わせて治療していきます。
早期に根治手術をすれば、8割方は治り、癌ができた範囲が小さければ、内視鏡を使った治療でも切除できます。
早期がんでは内視鏡的に切除し、お腹を開かないでも治すことができ、
進行した癌で、範囲が広ければ、胃を全部摘出すると同時に、リンパ節の郭清を行い、周囲の臓器に転移していれば、それらの臓器も摘出します。
胃肉腫は、粘膜上皮以外の組織に発生する悪性腫瘍である肉腫が胃に発生するもので、中でも一番多いのが胃平滑筋肉腫です。40歳以上の男性に多い病気です。
初期では、ほとんど症状はありませんが、やがては上腹部に痛みがおこり、吐血や下血もあります。お腹の上からしこりに触れることもあります。
肉腫が胃に出来ている場合には、手術療法で胃を切除するのが一般的で、全身の疾患と関連して発生した場合は化学療法も行われます。
癌性腹膜炎は、内臓を囲んでいる腹膜に癌が転移したもので、がん病巣から露出した血の腹水が溜まってきます。消化器、肝臓、婦人科領域などの末期がんで起きますが治療は困難です。
寒気や発熱、嘔吐などのほか、排便や放屁がなくなり、尿が減少して腹痛がだんだんひどくなり、全身が衰弱してきます。
まず、対症療法で、発熱や痛みを解消し、ガンに対しては化学療法を施します。