内分泌代謝科・内科・外科
低血糖症は、血糖値が正常よりも大きく低下するものです。
インスリンや経口血糖降下薬の過剰使用や、腫瘍やインスリン自己免疫症候群、副腎皮質ホルモンの欠損などが原因でおきます。
放置すると、生命にかかわり、脳に障害を残すことがあります。
脳はブドウ糖しかエネルギーとして利用できないからです。
異常な空腹感や脱力感、動悸、発汗などが出て、さらに血糖が下がると、全身けいれん、意識消失や昏睡になります。
インスリン注射や経口血糖硬化剤の過剰使用をやめます。
症状が軽ければ、甘い物を飲食すると治りますが、重症になると入院します。
意識障害がおきれば、ブドウ糖の静脈注射をします。
ぶどう糖はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられます。
酵素の働きで、必要に応じグリコーゲンをぶどう糖に再度、変えられてエネルギー源として使われます。
この酵素が先天的に欠損していたり働きが正常ではない場合、グリコーゲンはブドウ糖に変更されずに肝臓や骨格筋あるいは全身に過剰に蓄積されてしまうのが糖原病です。多いのは、肝臓の酵素の欠損です。
症状は、糖原病の種類によって違ってきますが、肝臓の酵素が欠損していれば、
腹部膨張やけいれんがあります。
また、骨格筋の酵素が欠損するものでは、運動筋の脱力や痛みがあります。
全身性のものでは筋力低下や筋委縮がおきます。
有力な治療法はなく、日常生活に注意して、痛みは鎮痛剤で抑えます。
膵臓はインスリンを分泌するランゲルハンス島細胞に、インスリノーマという腫瘍ができて、インスリンが過剰に作られて、分泌されるために低血糖がおこります。
症状の出ない、非活動性腫瘍の場合もありますが、症状のあるものでは、空腹時の脱力感、発汗、けいれん、意識消失などの、強い低血糖症状が現れて、てんかんと間違えられることもあるほどです。
腫瘍のある部位が、はっきりわかり、転移もしていない状態なら手術で摘出をします。
転移していれば、抗腫瘍剤を使用し、手術できなければホルモン剤などを使用します。
膵臓のランゲルハンス島から分泌されるホルモンは、インスリン以外に、グルカゴンやガストリンなどがあります。なかでも、ガストリンを分泌する細胞にできる腫瘍をガストリノーマと呼びます。
ガストリンは胃液の分泌をうながすホルモンですから、ガストリノーマができると、ガストリンの分泌が多くなりすぎて、胃液が過剰分泌されるのです。
胃液の過剰分泌によって胃潰瘍や十二指腸潰瘍がが発生します。
手術して腫瘍部分を切除するか、通常は胃そのものを全部摘出になります。
最近では、胃液の分泌を抑制できる薬剤も開発されて、必ず手術しなくてもよくなっています。しかし、腫瘍が悪性なら、ただちに手術して切除しなくてはなりません。